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「イーチー(Yi qi)」発見で今後の恐竜研究はどうなる?どこへ向かうか、恐竜研究。その11

20154月、中国で奇妙な恐竜が見つかりました。

中国語で「奇妙な翼」を意味する「イーチー(Yi qi)」と命名されたこの恐竜は、何を物語るのでしょう。

 

恐竜は鳥との共通点はしきりに指摘されてきたが、今度は哺乳類が絡んできて、更なる論争を引き起こしそうです。

 

もっとも、鳥は哺乳類との間で卵生であるカモノハシの帰属をめぐって論争が起き、授乳能力があるということでカモノハシは哺乳類に分類されました。

ちなみに現在確認されている卵生哺乳類は、単孔類に属するカモノハシの1種とハリモグラの4種のみです。

 

カモノハシなど単孔類には乳首はなく、メスのお腹の下の方には、一般哺乳類の乳腺に匹敵する内分泌腺が集中している場所があります。

子供が孵化するとメスはそこを自分のくちでつついて刺激し、その乳腺らしきところからにじみ出るようにお乳が出てきて、メスのお腹の毛にお乳のしずくが溜まります。

これを子供は「すする」ようになめ取ります。

 

とはいえ鳥にも素嚢乳のように授乳能力が見つかっているので、授乳能力があるかないかで哺乳類を特徴付けることは困難になりつつあります。

さらに恐竜にも素嚢がある以上、素嚢乳の可能性は否定できないので授乳能力をめぐる論争に恐竜が巻き込まれるのは避けられない展開ですが、今度の「イーチー」の発見はそこに一石を投じることになるかも知れません。

 

新種恐竜の化石発見 コウモリのように飛膜広げて飛ぶ? 中国・河北省

産経ニュース2015.4.30 06:00

膜を広げて飛ぶ恐竜「イー・チー」の想像図(DINOSTAR社提供)

 コウモリやムササビのように飛ぶときに広げる「飛膜」を持つとみられる新種の小型恐竜の化石を発見したと、中国科学院のチームが29日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 

 恐竜には羽毛の翼で飛ぶものもおり、鳥の起源と考えられている。化石は中国河北省にある約1億6千万年前のジュラ紀の地層で農民が見つけ、チームが分析した。ハトほどの大きさで頭は約4センチ、体重約380グラムと推定した。

 

 長い前脚の先端に長い指や突き出た骨があり、周りに皮膚でできた膜があった。チームは骨の構造などから飛膜の可能性があると判断。この恐竜を中国語で「変な翼」を意味する「イー・チー」と名付けた。

 

 コウモリのように羽ばたくか、ムササビのように滑空したかは不明。頭から前後の脚にかけて短い羽毛で覆われていたが、羽毛は飛ぶのに適さないという。(共同)

 

皮膜の「翼」持つ新種恐竜、中国で化石 結論に疑問の声も

AFPBB News20150430 12:17 発信地:パリ/フランス

皮膜の「翼」持つ新種恐竜、中国で化石 結論に疑問の声も

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新たに発見された皮膜の「翼」を持つとされる新種恐竜の化石(2015429日公開)。(c)AFP/NATURE/ZANG HAILONG IVPP

430 AFP】ハト程の大きさで、コウモリに似た翼を持つ新種の恐竜の化石を発見したとの研究報告を、中国の科学者チームが29日に発表した。鳥類の初期進化に予想外の展開をもたらす発見とチームは主張しているが、この結論に異議を唱える声もすでに上がっている。

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 中国語で「奇妙な翼」を意味する「イーチー(Yi qi)」と命名されたこの恐竜は、羽根ではなく皮膜のある翼を特徴としているが、進化の中で飛行の「実験」を試み失敗した数多くの例に、奇妙な予想外の一例として名を連ねるものだと研究チームは述べている。

 

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文の共同執筆者で、中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の徐星(Xu Xing)氏は「どれほどの『実験』が行われていたかを示す明確な一例だ」と語り、「(恐竜から進化した)鳥類の起源に近い。多くの系統がさまざまな方法で空に飛び立とうとしたが、最終的にはただ1つの種でしか成功しなかった」と続けた。

 

 イーチーは鳥類の直接の祖先ではなく、絶滅した系統の近縁種とされた。

 

 恐竜に命名されたものとしてはこれまでで最も短い名前を持つイーチーは「スカンソリオプテリクス(Scansoriopterygids)」科と呼ばれる、羽根と非常に長い「指」を持つ小型恐竜の種族に分類された。長い指は、木登りや昆虫を捕らえるのに使われた可能性がある。

 

 中国で発見された化石でしかその存在を知られていないスカンソリオプテリクスは、始祖鳥(Archaeopteryx)などの原始的な鳥類と近縁関係にあり、飛行しない恐竜と鳥類との間の過渡的な種とみなされている。スカンソリオプテリクスについては空を飛ぶ生物ではないとこれまでは考えられてきた。

 

 新たにスカンソリオプテリクス科に追加されたイーチーは、成体の体重が約380グラムで、約4センチの頭骨には極小の歯が並んでいる。また羽根は貧弱すぎるため、飛行には役立たないとみられている。

 

 だが、イーチーを本当に際立たせている特徴は、両手首から突き出た全長約13センチの突起物だ。

 

 恐竜でこのような特徴が見つかるのは今回が初めてとなる。そして研究チームは、コウモリや飛行するムササビなど、現代の空飛ぶ哺乳類にみられるものに似ていることに着目した。「これは飛行にとって、最終的に極めて重要になる構造であることに気が付いた」と徐氏は話す。研究チームは予想通り、骨とともに保存されていた「膜性組織」の残留物も発見している。

 

 これまでのところ、イーチーの存在を知る手掛かりについては、北京(Beijing)近郊で農夫が発見した16000万年前のジュラ紀の岩石の中にあった1個の化石だけとなっている。しかも、胸郭から下の部分は失われていたため、骨盤、後肢、尾などは、他のスカンソリオプテリクスのものであることが知られている化石から推測しなければならなかった。

 

■真相は謎に包まれたまま

 

 だが、両端が湾曲している骨質突起が担うとされた役割については、誰もが納得しているわけではない。

 

 米カリフォルニア大学(University of California)の生物学者、ケビン・パディアン(Kevin Padian)氏は、ネイチャー誌に掲載された今回の論文の解説記事の中で「しっかりと飛行するには、前進に必要な渦気流を発生させることのできる、羽ばたき運動をする能力がなければならない」と指摘する。

 

 同氏は「イーチーがこの能力を持っていたことを示唆する証拠はこれまでのところ、何一つ提示されていない」として「この恐竜が羽ばたきをしていた可能性は保留にすることができる」と示唆した。

 

 滑空していたかどうかについても、イーチーの体の後部に関してほぼ何も分かっておらず、重心を知ることができない状況を考えると、まだ結論は下せないとしながら、「あたかも飛行に使われていたかのようにみえる奇妙な体構造を持っているが、これ以外はそうした傾向を何も示していない。真相は謎に包まれたままだ」と記している。(c)AFP/Mariette LE ROUX

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