歴史的に考えて見るとはどういうことか。中国史を例に考えて見た。
中国との外交で注意すべき点について、考えてみたいと思います。
中国史をざっと眺めてれば気が付くことだが、20世紀まで古代国家の交代を繰り返してきたのですね、中国と呼ばれているあの地域では。
古代国家、それも、古代帝国の交代史が中国史の実態と見ても良いでしょう。
中国は古代のリフレインの時代が長いので、無法国家と言うより、そもそも、法治国家とはなにかの経験自体乏しい人治の国と見た方が良いと思います。
だから、その都度個人的な信頼を築くしかないでしょう。
現代の中国は一見近代的な法治国家に見えて実態が人治国家とすれば、何よりもまず、人と人との関係を築く外交努力こそ、両国間の関係を良好にし、強化していく上で大切なのではないでしょうか。
日本もコロコロ国のトップが変わるより、腰を据えた外交のできる長期安定政権の方が良いが、それだけにどういう政権を求めるか国民もしっかりとした考えと意思を持つことが求められているのではないでしょうか。
人治の古代、法治の近代と見れば、中世はその過渡期と見るべきで、中国はその過渡期の中世抜きでいきなり近代に引き込まれた古代国家と見るべきかもしれません。
中国には天下という概念はあっても、自国の領土はどこまでかと言う概念はない時代が長かったと見た方が良いでしょう。
諸勢力の勢力圏の接する境界線はどこかという認識はあっても、それは、国境という認識とは似て非なるものです。
国境という概念は、民族国家の成立とともに発展してきたと言えるでしょう。
勢力圏の境界線を実力の差に応じたところに定めて何が悪い、という論理は法治の思想からは到底認めることはできません。
いったん認めてしまえば収まりがつかなくなり、領土争いの果てしない戦争に突入しかねないからです。だからこその国境画定だったと言えるでしょう。
だが、国境という概念の未発達な時代には力の差に応じて境界線が移動するのは、当たり前の価値観だったと言えるでしょう。
ここで起きているのは価値観の対立であって、法治と無法の対立ではない点に気を付ける必要があります。
法の無視や軽視である以上、無法だと言いたくなる気持ちは痛いほどわかりますが。
法治でないから無法だ、罰だ制裁だ、だけでは、事態をかえってこじらせると懸念します。
ここに、国内での治安維持としての法治との差があると思っておいた方が良いでしょう。
それに、国内の治安維持であっても、罰や制裁は考えを改めてもらうための手段として用いられるはずのものではないでしょうか。
中国政府との対応という点を考えた場合、注意した方が良いのは、どういうところでしょう。
現在の中国は表向きは社会主義を目指す国だが、一皮剥けば古代的な祭政一致の宗教部分を社会主義が担っている、ちょっとややこしい状態ではないでしょうか。
古代国家の段階の繰り返しから抜け出せないまま近代に突入した中国にとって、国をまとめるうえで何らかの形で国教を持つ必要があります。
理念や理想は掲げるものの、バックボーンとなる思想体系のない資本主義より、しっかりした思想と理論の体系を持つ社会主義思想は、運動の理念としての性格を持つ点から見ても中国をまとめる新たな教えにある意味うってつけだったと言えるでしょう。
事実上の一党独裁も、国のトップが実態が祭祀王的存在と見れば必然となるってことかもしれません。
そのために、近代国家としての思想信条の自由の保障という点では、かなりのジレンマを抱えていると見た方が良いでしょうね。
社会主義思想自体は宗教ではないので、伝統的な宗教との共存はそれなりに出来ているようですが。
中国は近代国家の尺度で裁いたら、かえって事態はこじれるだけということが、歴史的な考察から見えてくと言うことでしょう。
粘り強い対話を積み重ねて強固な相互信頼関係をいかに築き上げるかという視点なしに、武力一辺倒で対峙するのが一番危険ってことでしょう。
過去に学ばないなら、未来も見えない、ここはいくら強調してもし過ぎることはないはずです。
過去から真摯に学ぶ意思も能力もない為政者集団をトップに据えること自体、組織や集団、そして、国家の自殺行為以外何者でもないでしょうね。
民主主義とは、一般市民が国の主人公と言うことです。
国民が、歴史から何をどう学んでいくのか、問われていると言うことではないでしょうか。
中国史を例にとって、考えて見ました。
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コメント
おすすめです。
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投稿: | 2016年8月11日 (木) 11時25分
ご紹介していただいたサイトは、私もよく存じております。
投稿: cova | 2016年8月12日 (金) 07時42分