改めて日本人のルーツがたどった道を考えてみた。
ハプログループDは、日本列島・南西諸島やアンダマン諸島、チベット高原で高頻度に観察されるほかはアジアの極めて限られた地域でしか見つかっていません。
ハプログループとは、単一の一塩基多型 (SNP) 変異をもつ共通祖先をもつような、よく似たハプロタイプの集団のことで、単倍群とも訳されます。
ハプロタイプ(haplotype)とは、"haploid genotype"(半数体の遺伝子型)の略で、単倍型とも訳されます。
地球上でハプログループDが人口比に対して高頻度で見つかるのは日本・チベット・ヤオ族・アンダマン諸島などです。
YAP変異をもつ系統はハプログループEとハプログループDに限られます。
限られると言うより、ハプログループDEはYAPという変異で定義されると言う方がより正確です。
YAP (ヤップ)とはY-chromosome Alu Polymorphismの略で、Y染色体の長腕部「DYS287 Yq11」上にある約300塩基からなるAlu配列(Alu sequence)の挿入多型のことを言います。
Alu配列とはたんぱく質をコードする配列を全く含まず、制限酵素Aluで認識されるためこの名がつけられました。
YAP変異と言うこの古代に起きた「M1」と定義される変異の痕跡(SNP)をY染色体上に持つのは、本来ならばtRNA、rRNAなどの核内低分子RNAに転写されるべきものが、何らかの要因によってY染色体上のDNA配列に挿入されてしまったもので、生体内での働きについては未解明です。
現生人類の共通祖先発祥の地、東アフリカのトゥルカナ湖の東北附近に約6.5万年前に住んでいた一人の男性にこの変異が起こりこれが、父系で遺伝するY染色体の特定のSNPを持つ集団(Y染色体ハプログループ)のうち「YAP(M1)」と呼ばれるSNPを持つハプログループDE系統を生み出しました。
その後6万年程前にこれが更に2つ集団(ハプログループ)DとEに分岐しました。
なお、ハプログループDEは系統樹からも分かるように、全ユーラシア人の最近共通祖先であるハプログループCTから早期に分岐したため、他のユーラシア系統とは分岐から7万年以上もの年月を経ています。
アフリカに留まり(又は出戻り)アフリカ大陸全土や一部は地中海地域やヨーロッパなどに父系を通じて広がった集団がハプログループEです。
分岐後出アフリカを経て東方に向かい、チベット・アンダマン諸島・ヤオ族・フィリピンのマクタン島・グアム島・日本列島などに父系を通じて広がったのがハプログループDです。
そして、このハプログループⅮをもたらしたのが縄文人であり、日本人のDNAを全体としてヨーロッパ寄りしてしまった原因を作った人達です。
だが、縄文人の来たルートには謎が多いのです。
少なくともアジアには、ここから来たと特定できるような場所が見当たらないのです。
恐らくは複数のルートをたどってきた集団が、日本で混ざり合って縄文人の集団が形作られたと見られています。
アジアで来たルートが特定できないなら、ヨーロッパやアメリカ経由のルートを考えても良いはずです。
日本には家族性地中海熱など地中海沿岸の遺伝病のほかにも、ヨーロッパと共通の遺伝病が見つかっています。
家族性アイルランド熱、高IgD症候群、クローン病など日本とヨーロッパの意外な繋がりの深さを示す遺伝性疾患が日本でも確認されることはもっと注目されても良いでしょう。
これらはほとんどが、アジアでは日本に集中しているのです。
アメリカではフランスとスペインの様式の矢じりと一緒に、アイヌの骨が出ているのです。
近年、最古級のアメリカ先住民として日本人がクローズアップされつつあると言う。
今後の研究の展開が楽しみです。
このハプログループDは、今より約6万年前にアフリカ-イラン-中央アジアのいずれかにおいてハプログループDEから分岐し、内陸ルートを通って東アジアへ向かったと考えられています。
ハプログループDは、現在の日本や中国、朝鮮、東南アジアにおいて多数派的なハプログループO系統や、その他E系統以外のユーラシア系統(C,I,J,N,Rなど)とは分岐から7万年以上の隔たりがあり、非常に孤立的な系統となっています。
D系統は東アジアにおける最古層のタイプと想定できるが、一つの説として東アジア及び東南アジアにO系統が広く流入した為、島国日本や山岳チベットにのみD系統が残ったと考えられています。
そのため形質人類学的には古モンゴロイド(アイノイド)の分布と相関しているようです。
古モンゴロイドは、アジアのモンゴロイドを形質的特長から新・古に分けた概念です。
寒冷地適応を経ているか否かの違いを表した分類で、進化の新旧とは関係ないので注意が必要でしょう。
氷河期時代の北アジアで寒冷適応した結果、凹凸の少ない顔立ち、一重まぶたにみられる蒙古ひだなどの体質的特徴を有する新モンゴロイドに比べると、一般には彫りが深く、比較的小柄で、二重のまぶたや、厚い唇、湿った耳垢、多毛などの特徴を持っているとされました。
日本においては、縄文時代の住民(縄文人)は主に古モンゴロイド系であったと言われるが、その後に中国および北東アジアから渡来した新モンゴロイドと混血をした結果、現在の日本人の新モンゴロイドと古モンゴロイドの特徴が混在する形質が形成されたと考えられました。
遺伝子解析の結果、日本人(琉球人、本土人、アイヌ人)は皆縄文人の血を受け継いでいるため、現在の東アジア大陸部の主要な集団とは異なる遺伝的構成であるという結果が出ています。
この現在の東アジア大陸部の主要な集団とは異なる遺伝的構成によって、日本人の遺伝子は全体としてヨーロッパ寄りになっているわけです。
古モンゴロイドは、新モンゴロイドと比較して低めの身長、彫の深い顔、二重瞼、体毛が多いこと、湿った耳垢、波状の頭髪などの形質を持つと考えられています。
古モンゴロイドに属すアイヌは、彫が深い、毛深いなど和人とは異質の特徴から、かつてはコーカソイドと考えられたこともあったが、これはコーカソイド特有の形質ではなく、新モンゴロイド以外の多くの人種に共通する形質だといいます。
遺伝的には古モンゴロイドは新モンゴロイドに近く、他の人種とは隔たりが大きいとされているが、このように古モンゴロイドの形質が他人種と共通する部分が少なくないのは、コーカソイドやオーストラロイドと分岐した直後の状態を長く保持している、つまり、新モンゴロイドの固有派生形質を獲得していないためです。
すなわち多くの人種と古モンゴロイドの共通点は共有原始形質です。
ちなみにオーストラロイドも分類上厄介な存在で、遺伝的には広い意味でのモンゴロイドに入れるべきと言う意見や外見上はコーカソイドに近いとする見解もあります。
私は古モンゴロイドに近いグループに入れた方がすっきりすると思うのです。
アイヌなど古モンゴロイドに分類されているが、見た目は思いっきりコーカソイドに近いからです。
ここに、日本人に世界各地の人種や民族と似た顔が見つかる事実を重ねると興味深いことになります。
実は蒙古斑は、モンゴロイド、コーカソイド、ネグロイドのいづれにも見つかることがわかっています。
コーカソイドは色が薄いため、ネグロイドは地肌の色が濃いため、長い間気付かなかっただけなのです。
日本人に世界各地の人種や民族と似た顔が見つかるという事は、世界各地に日本人と似た顔が見つかると言う事でもあります。
もしも、中東を出発し、西に東に旅を続けて、日本で再度出会った石器時代人が古モンゴロイドであったとしたら、クロマニョン人とは時代が重なるのではないでしょうか。
しかもアイヌの親戚の骨がフランスとスペインの様式の矢じりと一緒に、アメリカで見つかっているのです。
クロマニョンの名はフランスの地名にちなんでいるが、アイヌの親戚はご先祖がフランスやスペインで石器時代を過ごしている可能性があります。
彼らがクロマニョン人と出会っていないと見る方が、不自然ではないでしょうか。
さらに情報を集めてみたいです。
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