癌になりにくい生活ってどんなだろう。
皆さんの中には、身近な人を癌で失った経験を持っている方もあるでしょう。
私もまた、父を食道と胃の接合部の癌の切除手術後の縫合がうまくいかずに亡くしました。
呑み込みが少しでもうまくいかないと、自分にも来たかと不安がよぎります。
だから一時的だったと知ると、心底ほっとします。
癌治療と言えば、手術や抗がん剤や放射線が思い浮かぶでしょう。
そんな中、衝撃的だったのは免疫療法の手段としての丸山ワクチンの存在と、その後このワクチンがまるではれ物に触るかのようにタブー視される展開になったことです。
だが、近年再び免疫療法が注目を集めるようになっています。
人間の体は、約60兆個の細胞からできています。
毎日、細胞が入れ替わる中で、5000個前後のがん細胞が、健康な人でもできていると言われます。
正常な細胞は、体や周囲の状態に応じてふえたり、ふえることをやめたりします。
ふえることをやめるだけでなく、ふえた細胞が脱落することもあります。
例えば、胎児のある時期に、いったん指の間に水かきのような部分ができます。
だがこの水かきは、しばらくすると脱落します。
皮膚や腸管の細胞は、古くなった表面の細胞から脱落して、徐々に新しい細胞に入れ替わるように調節されています。
この一連の仕組みは、遺伝子によって制御されています。
水かきが脱落するのは、遺伝子がそれを指示するからと見られています。
細胞がふえたり、ふえるのをやめたり、成熟して分化する、脱落するという仕組みは、遺伝子に変化が起こることによって調節できなくなります。
その結果、異常な細胞がふえ続けたり、脱落しなくなったりします。
このできそこないのがん細胞を日々監視しやっつけてくれるのが、リンパ球をはじめとした免疫細胞です。
この免疫に注目するのが、癌免疫療法です。
癌が発症してしまうのは免疫力が落ちたからだから、元気にして癌とたたかえるように力づけようと言うわけです。
免疫細胞を増やし、体内の免疫力を強化することにより、癌に確実な攻撃を仕掛けてバランスを取り戻す「癌に勝つ」療法が免疫療法(免疫細胞療法)なのです。
一言で免疫細胞療法といっても内容は千差万別です。ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)を分離・培養して戻す方法、T細胞を分離・培養して戻す方法、樹状細胞を分離・培養して戻す方法などがあります。 もちろん、方法が異なれば作用等も変わってきます。
中でも期待されているのが、NK細胞です。
T細胞や樹状細胞では、抗原抗体反応があるうえ、即効性や柔軟性に欠けるのです。
抗原抗体反応とは過去に異常細胞と認識したものにしか攻撃を仕掛けないことで、これが必要なT細胞や樹状細胞は即効性や柔軟性に欠けるのです。
NK細胞は、抗体抗原反応を待つことなくそのために柔軟性と攻撃性、即効性が高いのです。
患者自身のNK細胞を活用できれば、異物として拒絶反応が起きる心配もないわけです。
免疫療法は治療の主役となるだけの力があるかと疑問を持たれているため、三大療法の補完とみなされてきました。
だが、ここへきて免疫療法が主役になり得ると主張する人たちが出て来ました。
NK細胞やT細胞や樹状細胞と言う免疫を担当している細胞のチーム力全体を効果的に動員できれば、免疫量は癌治療の主役になり得ると言うのです。
中でも心の持ち方に注目が集まっているのです。
笑う門には福来るとは昔から言うが、癌療法としても笑いの効用は馬鹿にできないと言います。
心の底から笑えば笑うほど、免疫も活性化すると言う実証試験の結果もあるそうです。
もっと過激と思えるのは、思考方法を変えれば癌でさえ大半の人は治せると言う主張です。
言葉と脳の使い方(思考パターン)を変えることでストレスの発生原因を断ち、実際に病気を改善させる取り組みを行なっているのがメンタルトレーナーの梯谷幸司氏です。
梯谷氏のセミナーはつねに定員オーバーになるほどの盛況ぶりで、クライアントには各界の著名人も多いといいます。
セミナー参加者や顧客の中には医療関係者も多く、特に「言葉と心理技術で病気をやめさせる」プログラムの参加者の半数以上が医師、看護師、薬剤師で、標準医療と並行し梯谷氏のメソッドを導入している医院も少なくなく、中には、ステージ2から3の癌が消失した例も報告されたというのです。
癌以外でも消えた症例は、糖尿病、脳腫瘍、動脈瘤、腎臓結石、甲状腺障害などからうつ、パニック障害といった心因性のものまで実に30以上と言うから驚きです。
「病気も健康も、自分が選んだ脳の動かし方の結果に過ぎない。どのような言葉を使うと脳がどう反応し、結果として身体にどんな指示が出されるのかまでを考えていかなければならないんです」(梯谷氏)
そう言えば、友人から聞いた例の中には、癌を「治りました。ありがとうございます。」と心の底から感謝して喜び続け楽しいことをひたすら思い続けて克服した人の話がありました。
普通なら早く進行するであろう、まだ若い30代の女性だそうです。
思考回路を変えるだけでなく、体を冷やさないことが大事と言う主張もあります。
いま話題の歯科系ヒット本に小峰一雄院長(歯学博士・小峰歯科医院理事長)『名医は虫歯を削らない――虫歯も歯周病も「自然治癒力」で治す方法』(竹書房)があります。http://healthpress.jp/2016/12/post-2725.html
本書に興味深い記述があります。
「がん患者と歯周病患者に共通する5つの特徴」はこの5つだと言うのです。
①糖質を好む、②低体温である、③交感神経がつねに優位にある、④呼吸が浅い、⑤酸性体質である。
低体温で癌になる、つまり、体を温めればそれだけで癌を予防でき仮になっても治癒力を高めて治すことができると言うのです。
それに本書には、交感神経がつねに優位にあることも癌になりやすくするとあるが、これなどはまさに思考回路を変えてリラックスして副交感神経を活性化することに繋がってきます。
呼吸の浅さも副交感神経を活性化することで、心の底から落ち着いてくれば自然と改善するはずです。
① 糖質を好むと⑤酸性体質である、は食習慣の改善ということになります。
皮膚は弱酸性、体内は弱アルカリ性が基本である以上、癌予防の基本の一つは食生活の改善となります。
糖質を好む、それは言い換えればブドウ糖を取り過ぎということになります。
これについては、こういう指摘があります。
がん細胞は、ブドウ糖をエネルギー源とする――。これは、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞したオットー・ワールブルグ博士が、マウスの「癌性腹膜細胞」を用いた実験で解明し、1923年からの一連の論文で発表したものです。http://toyokeizai.net/articles/-/144042
このサイトはこう続けます。
今では、がん細胞は正常細胞の3~8倍ものブドウ糖を取り込まなければ、生命活動を維持できないことも分かっています。…ブドウ糖が枯渇すると、人間の体内ではブドウ糖に代わる、緊急用のエネルギーが生み出されます…「ケトン体」という酸性の代謝物質です。…がん細胞には、ケトン体をエネルギーに変える酵素が欠けている…。
このサイトはケトン食の勧めと注意事項を記しているが、正常細胞の3~8倍ものブドウ糖を取り込まなければ、癌細胞は生命活動を維持できないと言う事は、ブドウ糖の取り過ぎに気を付けるように思考回路を変えれば良いと言う事でもあるでしょう。
低体温が癌になりやすいと言う点では、体を温める癌療法では、こんなものがあります。
https://www.mugendai-web.jp/archives/6080
人体に無害な近赤外線を照射してがん細胞を消滅させる新しい治療法の開発が、世界の注目を集めている。
「近赤外光線免疫治療法」と言い、米国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)の小林久隆・主任研究員が開発した。がん患者を対象にする臨床試験も順調に進み、2~3年後の実用化を目指している。
がん治療法には、「外科手術」「放射線療法」「化学療法」の3つがあるが、外科手術は患者の身体への負担が大きく、他の2つは副作用がある。転移・再発防止などにも課題があった。
これに対し、小林氏の開発した新しい治療法はがん細胞の死滅率が極めて高く、ほとんどのがんに適用できる。やっかいな転移がんにも有効だ。副作用がなく、必要な設備や薬品は安価なので、医療費の削減にも大いに貢献しそうだ。
この治療法は、がん細胞だけに特異的に結合する抗体を利用し…近赤外線によって化学反応を起こす物質(IR700)を付け、静脈注射で体内に入れ…抗体はがん細胞に届いて結合するので、そこに近赤外線の光を照射すると、化学反応を起こしてがん細胞を破壊と言うからこの療法が可能な施設で受ける必要があるが、ほとんどの人は1日で良いと言うからこれまでの癌治療の常識を覆す画期的な方法ではあります。
しかしながら、体を温めれば癌が治ると言う点に注目すると面白い記事があります。
キーワードはヒートショックプロテインです。
https://ameblo.jp/salon-de-sol/entry-12152842958.html
「身体を温めると癌細胞が死ぬ」という研究で話題になっているのは10年位前からですが、実は、この方法は、第二次世界大戦後すぐに実験されて、明らかになっている事でした。その研究のヒントとなったのは、日本人の熱い風呂に入る習慣からでした。
第二次世界大戦前に、フランスの医師パスツール、ジョリエが実験し、その後、ドイツのアンリ・ランペール教授が2次大戦中に自分の腸チフスや兵士達の腸チフスを熱いお風呂(43度)に入らせる事で治してきました。彼は、熱いお風呂に入る習慣のある日本人の癌の発症率が他国と比較し20倍も低い事に注目し、研究しました。
その結果、ガン患者を36度のお風呂に入浴させ、徐々に温度を上げ、42度まで上げ、最終的に、体温が39度に上げると悪性細胞は衰えはじめ、42度で死滅する事を発見しました。…。
一番簡単な方法は、「温熱療法」です。HSP(ヒートショックプロテイン)はタンパク質の一種で、全ての細胞に存在します。このHSPは、免疫力を高めて、細胞を修復し強化してくれます。体温が上昇すると増加する性質を持ちます。一番効率良く増加させるには、お風呂に入る事です。
体内が酸性に偏ると癌になりやすいと言う点では、食生活の見直しが必要ということになります。
目安としては、アルカリ性か酸性かで食事に気を付ければ良いとなるでしょう。
アルカリ性食品
野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン、里芋など)、果物(メロンなど)、海藻(ひじき、ワカメ、昆布等)、キノコ、干し椎茸、大豆など
酸性食品
肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、魚類、卵、砂糖、穀類(米、酢等)
このように分類する観点から考えれば、高タンパク高脂肪に偏りがちな「欧米化した食生活」では酸性食品を多量に摂取し、アルカリ性食品が不足しがちであるとなります。
日本人食生活西洋化と、癌の相関関係がしばしば指摘されることを思えば、野菜や果物が不足しやすい人は意識して野菜や果物を食べた方がいいでしょう。
何のことはない、
癌になりにくい生活は、こんなことでしょうか。
ストレスをあまり溜めず、人生を大いに楽しんでよく笑い、体を冷やさないよう気を付け、野菜や果物をよく食べてお菓子や肉はほどほどに楽しんで、あったかいお風呂になるべく毎日入りましょう。
もし、それが難しい社会だなって思うなら、どうやったら変えられるか大いに議論してすっきりした方が良いかも。
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