修験道と秦氏。
山岳宗教史研究叢書7に『東北霊山と修験道』が、収められています。
こう言う内容です。
総説 東北霊山と修験道
第1篇 下北・津軽の山岳信仰
第2篇 陸中の修験道と山岳信仰
第3篇 陸前の修験道と山岳信仰
第4篇 羽後の修験道と山岳信仰
第5篇 羽前の修験道と山岳信仰
第6篇 磐城・会津の修験道と山岳信仰
修験道は修験宗とも言い、山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた日本独特の宗教です。
修験道の成立には仏教の行脚や道教の入山修行も影響していると言われ、森羅万象に命や神霊が宿るとして神奈備(かんなび)や磐座(いわくら)を信仰の対象とした古神道に、それらを包括する山岳信仰と仏教が習合し、さらには密教などの要素も加味されて確立したとされています。
修験道は飛鳥時代に役行者とも呼ばれる役小角が創始したとされるが、役小角は謎の多い人物です。
役小角が属した役氏(えんうじ)あるいは、役君(えんのきみ)は三輪系氏族に属する地祇系氏族です。
葛城流賀茂氏から出た氏族であることから、加茂役君、賀茂役君(かものえんのきみ)とも称されます。
役民(えきみん)を管掌した一族であったために、「役」の字をもって氏としたと言います。
役民とは、都の造営などの際に徴収される労働者のことです。
また、役氏は大和国・河内国に多く分布していたとされます。
賀茂氏は、秦氏の中でも特に祭司の一族と指摘されています。
となると、役小角もまた、秦氏であった可能性が見えてきます。
修験道の行者は、山に詳しい人も多いのです。
修験道の行者となれば、誰にも怪しまれることなく山奥に分け入ることができます。
秦氏の拠点を置いた場所と、何らかの資源の分布を重ねてみると、面白い事に気が付けるかもしれません。
何故に秦氏は、仏教と神道の両方に関わりを持ったのでしょうか。
日本中の資源の情報、そして、大陸の最新情報、この二つを誰にも疑われる事なく調べるのにこの二つは実に好都合です。
殖産豪族秦氏が目をつけない方が、おかしくないですか。
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