七福神と天の大時計?
面白い本を見つけました。
大修館書店から出ている「星座で読み解く日本神話」です。
別にブックレビューする気は、ありません。
オリオン座からイメージされる形は、S型やX型や*型や砂時計やリボンの形だと著者は言います。
はたと、思いました。
弁財天とも記される弁才天は、琵琶を抱えた姿の他にも八臂弁財天や人頭蛇身の女神だったりします。
弁才天の正体がオリオン座なら、説明が付くのではないでしょうか。
弁才天はまた、宗像三女伸の一人、市杵島姫神と同一視されることも多いのです。
宗像三女神とは、沖津宮に祀られる田心姫神・中津宮に祀られる湍津姫神・辺津宮に祀られる市杵島姫神の事です。
日本から大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する玄海灘の神として、大和朝廷によって古くから重視された神々です。
沖ノ島には沖津宮、筑前大島には中津宮、宗像田島には辺津宮、というように海北道中の島々に祀られてきました。
なぜ、宗像三女神は横一列に一か所にまとめて祀られないのでしょう。
航海の安全祈願というだけでは、説明が付きません。
しかし宗像三女神がオリオン座の三ツ星なら、天に縦一列に上がる姿を表したと説明が付きます。
しかも弁才天も宗像三女神も水にまつわる女神だが、オリオン座の近くには天の川があるのです。
弁才天のルーツは古代インドの水の神サラスヴァーティーで、サラスは「水」を意味し、もともとは西北インドにあった大河の名前を指したというからまさに天の川の傍らに位置するオリオン座はうってつけではないでしょうか。
七福神には、弁才天の他にも恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人がいます。
寿老人もまた、見れば寿命が伸びると伝えられるカノープスの化身とされます。
となると、他にも星や星座に繋がる神はいないのでしょうか。
大黒天は、破壊と創造の神であるシヴァの化身マハーカーラの名は、“マハー”とは大(もしくは偉大なる)、“カーラ”とは時あるいは黒(暗黒)を意味するところから訳された名前です。
シヴァの特徴としては、額の第三の目、首に巻かれた蛇、三日月の装身具、絡まる髪の毛から流れるガンジス川、武器であるトリシューラ(三又の鉾)、ダマル(太鼓)が挙げられます。
ガンジス川下流域においては勾配が少ないことと3大河川が合流することによる流量の巨大さ、さらに主にブラフマプトラ川によるチベット高原からの膨大な量の土砂の堆積によって流路が安定せず、まさに破壊と創造の神シヴァのモデルに相応しいと言えるでしょう。
となると、大黒天のルーツであるシヴァもまた、オリオン座の化身かもしれません。
毘沙門天は戦闘的な印象だが、インドにおいては財宝神とされ戦闘的イメージはほとんどなかったと言うから意外です。
中央アジアを経て中国に伝わる過程で武神としての信仰が生まれ、四天王の一尊たる武神・守護神とされるようになったのです。
帝釈天の配下として、仏の住む世界を支える須弥山の北方、水精埵の天敬城に住み、或いは古代インドの世界観で地球上にあるとされた4つの大陸のうち北倶盧洲(ほっくるしゅう)を守護すると言う事ですが、水精埵と言う名前が気になります。
まさかまた、オリオン座の化身なんて言うわけではないでしょうね。
福禄寿はもともと福星・禄星・寿星の三星をそれぞれ神格化した、三体一組の神です。
中国において明代以降広く民間で信仰され、春節には福・禄・寿を描いた「三星図」を飾る風習があります。
寿星は南極老人星(カノープス)とされ、容貌は時期によって諸説あるが近代以降は禿げた長大な頭に白ひげをたくわえた老人とされることが多く、また厳密にはもともとこの寿星(南極老人)が単独で日本に伝わったのが寿老人なので、これまた星や星座に関係ある神です。
しかし、カノープスは単独の星なはず、まさかまた、オリオン座の三ツ星と関係があるのでしょうか。
同時に見える事はあるけれど、近いような近くないような、距離なのですが。
恵比寿は七福神の中で唯一の日本の神です。
狩衣姿で、右手に釣竿を持ち、左脇に鯛を抱える姿が一般的です。
何やら、またぞろオリオン座ですか見たいな雰囲気が漂うが、何やら様子が変です。
神格化された漁業の神としてのクジラの事だとの声もあるのです。
クジラと言えば、くじら座があるけれどギリシャ神話では、生贄のアンドロメダ姫を食べようとする巨大な海の怪物ケートスとして登場し、メドゥーサを倒した後たまたま通りかかった勇者ペルセウスによってメドゥーサの首を突きつけられ石にされてしまうとされるからどう見てもつながりませんね。
だって、恵比寿は古くから漁業や商いの神として祀られているのですから。
神無月では地元にとどまる留守神ともされています。
恵比寿が釣り人姿なのは事代主神と混同されたのは、大国主神の使者が事代主に天津神からの国譲りの要請を受諾するかを尋ねるために訪れたとき、事代主が釣りをしていたとされることからきています。
また、事代主の父である大国主命が大黒天と習合したことにより、えびすと大黒は親子ともされるようになりました。
またまた、オリオン座つながりなのでしょうか。
布袋は、唐代末から五代時代にかけて明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在したとされる伝説的な仏僧、弥勒菩薩の化身と言う伝説まで持っているとされます。
弥勒菩薩は、遠い未来に人々を救うことが約束されている釈迦を継ぐ者と言うから、星や星座とは一見無関係に見えますが、実は星や星座は天の大時計として昔から人々に用いられてきたので全く無関係とはない、のかもしれませんね。
ちなみに七福神は船に乗ります。
船の星座もあったのですよ。
あまりの大きさに、りゅうこつ座、ほ座、とも座の3つに分割されたアルゴ座です。
その名称はギリシャ神話に登場する船、アルゴーにちなんでいます。
寿老人はカノープスの化身とされるが、カノープスはりゅうこつ座のα星の事です。
七福神が乗っているのは、天空を航海しているアルゴーなのでしょうか。
どう思いますか。
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