いま、年収103万円の壁をはじめ、様々な制度上の課題や問題が議論されている。
いわゆる現実的な対応と称する議論をする人たちが、この課題を提起したのだ。
だが、議論をすれするほど乗り越えるべき課題と財源に充てるべきものを探す難問がいくつも立ちはだかる現実に突き当たるだろう。
私はこの現状に、これらの聖句を思い起こさずにはいられない。
マタイによる福音書 7章
13 「狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道も広い。そして、そこから入る者は多い。
14 命に通じる門は狭く、その道も細い。そして、それを見いだす者は少ない。」
15「偽預言者に注意しなさい。彼らは羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、その内側は強欲な狼である。
16 あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。
17すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。
18 良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。
19良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。
20 このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」
年収103万円の壁、解決そのものは必要だが財源問題もある。
だが下手をすれば、国債増発や消費税増税を財源に充てるという議論が出る可能性も否定できない。
日本共産党は企業の内部留保課税で全国一律最低賃金1500円の実現という形で回避の道を示したが、国民民主党は財源も示さず提案したからこういう事態になったのだ。
選挙の中で与党は国民民主党の提起に対して、財源に充てるものを言わないとは無責任との批判を避けた。
財源問題を言えば、泥沼にはまるのは目に見えていたからだ。
そして日本共産党の提起は黙殺したが、自由民主党は多額の企業団体献金を失うことを恐れ議論に巻き込まれない道を選んだのだ。
大手メディアといえば彼らも財界や大企業が主要なスポンサーだし、NHKも予算の審議が国会でなされるので議会第一党の自由民主党を敵に回せば予算の審議に差し支えるから下手な真似は出来ないのだ。
課題があるとき、乗り越えるための対応には二通りの道がある。
正面突破と、回り道を見出して回避する道を行くことの、選択という二通りの道だ。
日本共産党は全国一律最低賃金1500円以上の実現で、根本的に回避する道を示した。
財源問題には、溜まり過ぎた大企業の内部留保に時限立法で課税して中小企業支援に充てるという解決策を示している。
大企業も最低賃金全国一律1500円以上を実施した方が良いことはわかっていても、他が足並みをそろえてくれないと自分がばかを見るからできないでいる。
ならば、政治が権限を使って命令するしかない。
どうせ使い道がなくて溜まっている内部留保だから、ちょっとくらい吐き出したところで当面の経営には大して響かない。
むしろ地方の経済が元気になれば、新たな投資や収益の機会が増える。
やりようによっては、それぞれの企業は吐き出した以上に利益が上げられるだろう。
国債増発や消費税増税を財源に充てることのない道がある以上、国民が選ぶべきなのはそちらの道があるならそちらに進もうと声をあきらめないで上げ続けることだ。
そんなものあるかという人には、これらの聖句をお送りしよう。
マタイによる福音書 7章
7 「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。叩きなさい。そうすれば、開かれる。
8 誰でも、求める者は受け、探す者は見つけ、叩く者には開かれる。
9 あなたがたの誰が、パンを欲しがる自分の子どもに、石を与えるだろうか。
10 魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。
11 このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子どもには良い物を与えることを知っている。まして、天におられるあなたがたの父は、求める者に良い物をくださる。
12 だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」
先の引用した聖句にある救いに至る狭く小さな道も、諦めずに探した人だけが見出し歩むものなのだ。
マタイによる福音書 6章
33 まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものはみな添えて与えられる。
マルコによる福音書 10章
14 イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子どもたちを私のところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。
15 よく言っておく。子どものように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」
実現には、国民が声をあげることが大切だ。
主権者である私たちの声を聞けと、行動を起こすのだ。
声の上げ方には、署名や請願行動をしたりデモや集会で要求実現を求める姿を目に見える形にすることもある。
全国的に各地で創意工夫を凝らした行動を組織すれば、より効果的だろう。
遠回りに見えても、余計な苦労をするより内部留保というお宝があるならそれを使おう。
経済活動が元気になれば、企業は吐き出した内部留保に見合う収益や利益を上げやすくなる。
金は天下の回り物、そして大企業は自分たちのもとに富が集まる構図を作っている。
せいぜい知恵を絞って、市場で回収することを考えた方が良いぞ。
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