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なぜ波動関数は複素数で表されるのか。

波動関数は、量子力学において純粋状態を表す複素数値関数である。

 

純粋状態とは、扱う系について原理的に可能な限りの情報が既に得られている場合を指す。

それに対して、混合状態は系に対する情報が不足していて、ある純粋状態が測定される確率しか分からない状態である。

 

ここではなぜ波動関数が複素数で表されるのか、それだけを考える。

 

複素数とは、2つの実数 a, b と二乗すると-1となる虚数単位 iを用いて

z = a + bi

と表すことのできる数のことである。

 

物理学において、エネルギーまたはエナジーは、仕事をすることのできる能力のことを指す。

エネルギーは重さと速さの二乗の積で得られるが、重さを1と取れば速度の二乗となり重さは具体的なエネルギーを得るために代入される変数に過ぎなくなる。

エネルギーには様々な形態をとるが、全てのエネルギーの基本はポテンシャルと運動エネルギーの和が一定であることにある。

素粒子や分子の運動が、全てのエネルギー現象の大本だからである、

 

そして、全ての運動はまずポテンシャルの蓄積から始まる。

励起ということもあるが、同じことだ。

エネルギーが二乗数なのは、蓄積されたエネルギーと解放されるエネルギーが同じ大きさで方向が逆なので全体の値が零にならないように二乗すると考えればいい。

二乗すると面積の式になるが、エネルギーは面積に働く作用であるからその方が自然なのだ。

 

ポテンシャルの蓄積は、運動とは逆方向、つまり、負の方向になされる。

蓄積されたポテンシャルが解放されるのが、運動となる。

 

波動では、ポテンシャルの解放としての運動がポテンシャルの蓄積も兼ねる。

言い換えれば、ポテンシャルの蓄積と解放の繰り返しが波動でありそれを記述するのが波動関数となる。

ポテンシャルの蓄積と解放の無限ループが、波動でありその表現が波動関数だから蓄積過程を虚数が解放過程を実数が表す複素数となるのである。

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