電磁

重たい電子なのか重たく見えているだけの電子なのかどちらでしょうか。

日本の研究と言うサイトに、興味深いプレスリリースが掲載されました。

膨大な内外の論文や資料の点検に追われるいるから仕方ないのかも知れませんが、次にあげる記事は、2001年3月以前にはすでに書かれています。

 

産業技術総合研究所

http://www.aist.go.jp/index_ja.html

 

磁気力を利用した重力制御法

http://www.aist.go.jp/NIMC/publication/news98/34-1.html

こちらは、ちょっと後の2002年です。

東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻

  岸尾研究室気付 超電導情報研究会http://semrl.t.u-tokyo.ac.jp/supercom/index.html

 

OMMUNICATIONS, Vol.11, No.2, April. 2002

http://semrl.t.u-tokyo.ac.jp/SUPERCOM/56/56_15.html

15. つくばマグネットラボの大型磁石開発状況

―木吉氏(物材機構)が講演

ちょっとジャンルが違う日本語文献と言うだけで、気が付かれていないとしたら勿体ない話です。

時間が立てば該当サイトから削除され、意識して論文検索をかけないと見つからないから見落とされてしまったのかも知れません。

これらの論文の言わんとしていることは、大きな磁場で重力の見かけ上の大きさを制御できるというのです。

当然ながら、無重力状態だろうがより大きな重力下の状態だろうが、作れる磁場の大きさの範囲内であれば自在に制御できるのです。

ここで言う大きな質量の電子も実は、見かけ上大きな質量が測定されたに過ぎない電子かも知れません。

今後の研究に注目したいと思います。

 

強磁場中で重い電子を発見、近藤絶縁体の磁場中電子状態を解明―理・伊賀文俊教授が純良単結晶試料作製で貢献

 

 

プレスリリース 掲載日:2018.06.21

 

 東京大学 茨城大学

 

 

 

発表者

 

松田康弘(東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設 准教授)

 

寺島拓(研究当時:東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 博士課程学生/:株式会社リネア)

 

小濱芳允(東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設 准教授)

 

池田暁彦(東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設 助教)

 

近藤晃弘(研究当時:東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設 助教/ :三井金属鉱業株式会社)

 

金道浩一(東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設 教授)

 

伊賀文俊(茨城大学理学部理学科物理学領域 教授)

 

 

 

発表のポイント:

 

近藤絶縁体YbB12(12ホウ化イッテルビウム)の磁場誘起金属状態の比熱測定から、50テスラ以上の強磁場で重い電子が現れることがわかった。

 

近藤効果の証拠である重い電子を強磁場中で発見し、近藤絶縁体における多体電子相関効果をはじめて明らかにした。

 

近藤絶縁体はトポロジカル的性質からも特異な物質群として注目されており、今回の発見は、古くかつ新しい研究課題である絶縁体と金属の物理に新しい展開を与える。

 

発表概要:

 

東京大学物性研究所の松田康弘准教授と小濱芳允准教授は、茨城大学理学部の伊賀文俊教授らと共同で、近藤絶縁体(1)YbB12(12ホウ化イッテルビウム)の比熱測定を60テスラ(2)までの強磁場下で行い、強磁場金属相の電子が通常電子の数十倍重いことを発見しました。これは、典型的な多体電子相関効果である近藤効果が強く効いていることの直接的証拠です。近藤絶縁体は1960年代から半世紀以上研究が継続されていますが、強い電子相関効果のために 絶縁体化のメカニズムの解明は十分ではありませんでした。

 

最近で はトポロジカル性や中性フェルミ粒子などの新概念が提案されたため再び多大な関心が寄せられていましたが、今回、この物質の有する隠れた金属状態が強い近藤効果(3)を持つことを初めて立証しました。

 

今回の発見は、絶縁体と金属の違いは何かという古くかつ新しい固体物理学の問題(4)における近藤効果の役割に新たな理解を与えるものです。近藤効果は典型的な多体電子相関効果であり、非従来型超伝導やメゾスコピック系の量子ゆらぎの理解にも重要です。本研究の成果はこれらを含む広範囲な物質系の理解にも大きく貢献します。

 

本成果はアメリカ物理学会の速報誌 Physical Review Letters に掲載予定です(622日オンライン版掲載)

 

背景

 

固体中では、本来、極めて多数の電子による複雑な多体の相互作用を量子力学に基づいて考慮すべきですが、多くの半導体や金属において近似的に1体の問題に書き換えて理解できることがわかっています。今日のエレクトロニクスは、量子力学を礎とする固体中の電子状態の理解によって形成、発展してきましたが、その背景において1体近似の有効性が重要な役割を果たしてきました。しかしながら、この近似による予想と大きくかけ離れた性質を示す物も 存在し、これらの物質群は強相関電子系と呼ばれています。 強相関電子系の研究は、銅酸化物高温超伝導体の発見(1986)を契機に爆発的に進展しました。特に、1体近似では金属と予想されるが実際には絶縁体となる物質群が、高い超伝導転移温度を示す物質と深く関係があったため、絶縁体金属の境界での性質に興味が集中しました。

 

 

 

一方、近藤効果は典型的な多体電子相関効果であり、希土類金属間化合物における非従来型超伝導の発現において重要な役割を果たします。強い近藤効果を示す物質群の殆どは金属ですが、いくつかの限られた物質では絶縁体となり、近藤絶縁体と呼ばれています。その絶縁体化のメカニズムと近藤効果の関係の解明は極めて重要な問題ですが、これまで十分な理解は得られていませんでした。近藤絶縁体の電子状態については、最近、トポロジカル的性質や中性フェルミ粒子の存在の可能性など新しい概念での捉え方も提案されています。近藤絶縁体の電子状態の理解は現在の固体物理学において最も重要な研究課題の1つと言えます。

 

 

 

典型的近藤絶縁体の1つであるYbB12(12ホウ化イッテルビウム)は約50テスラの磁場中で金属化することは発見されていました(1988)が、その金属状態の性質については殆ど明らかになっていませんでした。特に、磁場で金属化した状態が、近藤効果が失われた通常の金属であるか、または近藤効果が強く残った強相関金属であるかは、近藤絶縁体の絶縁体化のメカニズムと関連した基本的かつ重要な問題ですが未解明でした。

 

 

 

研究内容

 

今回の研究では、YbB12について60テスラまでの強磁場中でその電子状態を調べました。強磁場中で比熱を精密に測定することにより、強磁場金属相では比熱が急激に大きくなることを発見(1 )し、そのことから強磁場金属相が近藤効果の強く効いた強相関金属であることを 初めて直接的に証明しました。比熱測定では金属中の電子の重さを測ることが可能であり、電子の重さは通常金属の数十倍であることが分かりました(2)

 

 

 

また今回明らかになった磁場による比熱の増大現象は、磁気的性質の変化との整合性が極めて高いことに特徴があります。YbB12は、金属化と同時に磁化の急激な増加が見られますが、比熱の増大率はその磁化の増大率と非常に良い一致を示しました。このことは、近藤共鳴機構によってフェルミエネルギー近傍での電子状態密度が急激に増大したためと理解でき、強磁場で現れた金属相が強相関金属であるとの説明と極めて良く整合します。これまでに、近藤絶縁体の強磁場中の金属相が強相関金属の性質を有するという報告は、別の近藤絶縁体Ce3Bi4Pt3において過去に1件だけ存在しますが、このような磁気的性質と熱的性質の整合性は報告されておらず、近藤共鳴現象の観点から近藤効果が実験的に確認されたのは今回が初めてのことです。

 

 

 

成果の意義、今後の展望

 

本発見は、絶縁体と金属の違いは何かという古くかつ新しい固体物理学の問題の理解に大きく貢献し、特に、その近藤効果の役割に新たな理解を与えるものです。

 

 

 

今後は、今回の研究よりも1桁程度強い磁場までの研究展開を行い、磁場による近藤効果の完全な抑制と、その際の強相関金属の性質の変化を明らかにしていく予定です。これにより、強い相関を磁場で制御する技術が確立されると期待できます。近藤効果は典型的な多体電子相関効果であり、非従来型超伝導やメゾスコピック系の量子ゆらぎの理解にも重要です。本研究の成果と今後期待される進展は、これらも 含む広範囲な物質系の理解とその応用に大きく貢献します。

 

 

 

発表雑誌:

 

雑誌名:

 

Physical Review Letters622(米国東部時間)オンライン版掲載

 

論文タイトル:

 

Magnetic-field-induced Kondo metal realized in YbB12

 

著者:

 

Taku T. Terashima, Yasuhiro H. Matsuda*, Yoshimitsu Kohama, Akihiko Ikeda, Akihiro Kondo,Koichi Kindo, Fumitoshi Iga

 

 

 

用語解説:

 

(1)近藤絶縁体

 

希土類元素を含む金属間化合物で、高温では金属であるがある温度よりも低温で絶縁体となる。SmB6YbB12Ce3Bi4Pt3などが典型物質であり、その種類は極めて限られている。伝導電子と希土類元素の4f電子の強い混成効果によって低温で近藤効果が顕著となる。磁気的には局在磁気モーメントが消失した非磁性状態が基底状態となる。

 

(2)テスラ

 

磁場の強さを表す単位。1テスラは10000ガウス。(地磁気は約0.4ガウス。)100テスラの磁場を発生させると内部に約4万気圧の磁気圧力が生じ、コイル破壊を伴う場合が多い。60テスラ程度の磁場では数十ミリ秒の比較的長い時間でのパルス磁場発生が安定に行える。

 

(3)近藤効果

 

希薄な磁性不純物を含む金属における電気抵抗の温度依存性が示す極小を説明する効果として1964年に近藤淳によって示された。その後の研究の発展によって、高濃度に磁気モーメントが存在する金属間化合物場合においても近藤効果は起こり、伝導電子と局在した電子(f電子など)の反強磁性結合を介した多体効果として理解されることが分かった。近藤効果の強さは近藤温度(TK)で示されることが多く、数ケルビンから数百ケルビン程度となる物質が多い。電子の重さはフェルミ温度をTFとして概ねTF/TKでスケールされ、通常金属の1000倍程度になる場合もある。

 

(4)古くかつ新しい固体物理学の問題

 

古くからある未解決の問題であるが、新しい概念の導入と測定技術の進歩により、理解の深化と実測可能な物理量の拡張がなされ、新しい研究展開が行われている問題。

 

 

 

添付資料:

 

Photo

 

図1.磁場温度平面における比熱/温度のカラープロット。強相関金属状態が強磁場で現れることがわかる。

 

 

 

Photo_2

 

図2.電子比熱係数γの磁場依存性。これより、磁場中金属相では、比熱係数が急激に増大しており、電子の重さが通常金属の数十倍大きいことが分かる。



追記


ここで紹介した磁場に関する論文はここにも納めましたので、興味のある方はそれぞれの組織に問い合わせてみてください。

無重力で作る単結晶は地上で可能になる。重力と電磁力?その6



| | コメント (0) | トラックバック (0)

視野を広く持たないと損しますね。

フランスにあるCERN(欧州合同原子核研究機関)の施設から発射したニュートリノビームを、730㎞先にあるイタリアのグランサッソで受けた結果、ニュートリノが光速を超えた可能性があることが観測できたと報告された事がありました。

 

20119月のことです。

 

ニュートリノの超光速移動の可能性を、3年以上にわたり1万5000回実施して見つけたとする実験結果は報告された後大きな反響を呼んだことは言うまでもありません。

 

ニュートリノは、ほんのわずかでも光速を上回るスピードで進んだとすれば到着時点でエネルギーのほとんどを失っているはずだが、ICARUSの測定では、光速で移動する素粒子とエネルギースペクトルが完全に一致したとしていることなどから、測定精度に問題があったのではないかなどの疑問が出され、検証実験で見つけられなかったとしてこの結果は多くの謎を残したまま忘れ去られていくことになります。

 

だが、3年以上にわたり1万5000回実施して見つけたという事は再現性が極めて低いことを意味します。

一方で検証実験と称する行為は、比較にならないほどの短期間でなされ、検出できなかったとしたのです。

 

この報告をがさネタとして葬り去った人たちは、検出結果がことごとくほとんど同じと言いえるだけの範囲に集中していた事実をどう説明できるのでしょうか。

 

ニュートリノが超光速で移動したとしか見えない結果が出た一方で、光速で移動する素粒子とエネルギースペクトルが完全に一致という結果も出ているのは、紛れもない事実です。

この矛盾を解決できる解を求めてこそ、科学者の醍醐味ではないでしょうか。

 

ここに、面白い情報があります。

分子分光学の分野の成果です。

近接場光によって、波動関数の可視化ができたと言うのです。

波動関数とは、もともとは波動現象一般を表す関数のことです

 

量子力学では、粒子の状態を記述する空間座標と時間の関数のことを言います。

 

波動関数は今ではもっぱら、量子力学の用語として有名になってしまいました。

波動関数が客観的実在である近接場光によって可視化できると言うことは、波動関数もまた、客観的実在でなければなりません。

 

言い換えれば、波動関数は実在の波動を描写しているという事ではないでしょうか。

となれば、超光速にみえる現象で人々を驚かせたニュートリノにも実在する波動があった可能性を考えても良いはずではないでしょうか。

 

つまり、このニュートリノの超光速騒ぎは、超光速を観測したと見たから多くの科学者をパニックに陥れたのです。

個別のニュートリノの波動関数が可視化された事象を検出したのだと解釈していたなら、相対性理論も傷がつかず、新たな科学的知見が得られたとしてハッピーエンドだったことでしょうね。

 

釣り損ねた獲物は、大きかったと言うことかもしれません。

視野を広く持たないと損しますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オーロラ爆発も太陽フレアも磁場の「つなぎ替え」が原因だった。

2015年12月25日付WIRED.jpに興味深い記事が掲載されています。

 日本の研究チーム、オーロラの「謎」を解明する

 

京都大学と九州大学の科学者チームが、長年の謎であった「オーロラ爆発」の仕組みをコンピュータ・シミュレーションで再現することに成功した。

 

PHOTOGRAPHS BY WIKIMEDIA COMMONS

TEXT BY K.G ORPHANIDES

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO

 

WIRED NEWS (UK)

オーロラは、地上約100km以上の上空で光っている。

極地地方の空で光が揺らめくオーロラは、地球上で最も美しくて魅力的な謎のひとつであり続けてきた。

 

オーロラは、北極および南極の上空で常にかすかに見えているが、最も壮観な眺めは、「オーロラ爆発」(ブレイクアップ)と呼ばれる、オーロラが急激に非常に明るくなり、きらめいて揺れ動く現象だ。

 

京都大学と九州大学の科学者チームはこのほど、このオーロラ爆発がどうやって起こるか、その基本的な仕組みを特定した。

 

今回の研究(PDF)では、コンピューターによるシミュレーションを利用して、極地における太陽のプラズマと、地球の磁場の相互作用を模擬的に再現した。

 

オーロラが太陽からのプラズマと地球の磁場との間の相互作用の結果であることはすでにわかっているが、「オーロラ爆発」現象がどのようにして発生するかについての一貫した矛盾のない説明が、今回の研究でようやく確立されたことになる。

 

地球に近づいた太陽風(太陽から吹き出す高温の電離した粒子からなるプラズマ)は、地球に近い宇宙空間で発生する地球の磁場の「つなぎ替え」によって、極地地域の上空に集まる。つなぎ替えとは、磁気エネルギーが、運動エネルギーや熱エネルギー、粒子加速に変換されるプロセスだ。

 

京都大学と九州大学のチームは、このつなぎ替えによって、地球の磁気圏のプラズマが回転し、極地地域の上空で急激な電流がつくり出されることを突き止めた。

 

これによって電流が過剰になり、低高度にあるプラズマが、反時計回り(北半球の場合)に回転して余分な電気が放電される。これが、磁気のサブストームと関係する、オーロラのサージと呼ばれる明るい閃光になるのだという。

研究のリーダーを務めた京都大学生存圏研究所准教授・海老原祐輔は次のように話している。「これまでの学説では、磁力線のつなぎ替えや電流の分岐といった個別の仕組みを説明しようとしたものの、この現象全体を説明しようとすると矛盾が生じていました。われわれが最初から必要としていたのは、より大きな全体像に目を向けることだったのです」

こういう記事です。

ようは、磁場の「つなぎ替え」つまりリコネクションによってオーロラ爆発が起こると言うのです。

磁気リコネクションは、太陽系のなかで最も大きな爆発現象である太陽フレアの原因でもあります。

磁気リコネクションで数時間から数日の間に蓄積された磁場エネルギーが開放されることが、太陽フレアを引き起こしているのです。

地球の磁場はドーナツに似たトーラス状なので大気を発光させることができないけれど、太陽の磁場はループ状磁場が表面一杯に広がっているので蛍光灯と同じ原理の発光をしています。

オーロラは太陽からのプラズマと地球の磁場との間の相互作用の結果、つまり、オーロラの中では太陽表面と似た状態が生まれているわけです。

そこに起きるオーロラ爆発が太陽フレアと似た現象であるのは、決して偶然ではないのです。

恒星になるか、惑星になるか、大きさでは決まらないことは近年の天体観測によって明らかになってきました。

言い換えれば、恒星になるか、惑星になるか、決め手は磁場の形なのです。

太陽がガス天体とされる理由が、また一つ事実上消えてしまったと言えるでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ガス天体はSFだった?!

恒星と惑星の区別が揺らいでる事をご存知でしょうか。

日経サイエンス2001年3月号に面白い記事があります。

恒星と惑星の差は大きさではないらしいと言うものです。

太陽系外惑星は、本当は恒星?
著名研究者の説で論争巻き起こる

似たような情報は、NASAからも出ています。

古典的な系外惑星検出法がついに成功
【2009年6月2日 NASA JPL】

発見されたのは、恒星と惑星の直径がほとんど同じという奇妙な惑星系であると報告されています。

そうなると、恒星と惑星の差はどこにあるのかと言う声も当然出てきます。

一番目につくのは、磁場の形です。

惑星の磁場はトーラスと呼ばれるドーナツ状の形なのに対し、恒星の磁場はまるでループカーペットを敷き詰めたかのような状態になっています。

では、恒星の磁場の形はループ状が基本化と言うと、そうではなく、自転などの影響でトーラス状の磁場がねじれていることが明らかになっています。

太陽の明るさは、黒点の極大期に明るく極小気に暗くなります。

黒点自体は周囲より低温なので暗く見えている現象なので、黒点が多くなると暗くなりそうなのに、多い方が明るいのです。

これは、黒点が多い時は強力なループが沢山出来ていると見た方が良いでしょう。

太陽表面の光球に比べてコロナははるかに高温なので、光球からコロナへのエネルギーの移動は非熱的過程と見ないと説明がつきません。

そこで、磁気と極小フレアが候補に挙がるが、絞り込みができません。

これは、両者を統一的に説明する必要があるためでしょう。

恒星の磁場はSとNが対になるループが基本である以上、敷き詰められたループによって恒星の大気が発光していると見る事ができます。

LEDなどに替えられつつある照明に電球や蛍光灯があるが、恒星の大気はループ状の磁場によって蛍光灯と同じ原理で光っています。

フレアはループ状磁場のリコネクション、つまり、繋ぎ直しによって生じます。

このフレアもまたコロナにエネルギーを運んでいる訳ですが、黒点が多いと言う事は強力な磁気ループが多くできた結果、フレアもまた活発に発生してより効果的にエネルギーがコロナに運ばれていると言う事です。

だが、黒点に極大期と極小期があるならば、それは、ループ状磁場の維持は実は恒星にとってしんどいのだと言えるでしょう。

磁場の形の基本がトーラス状であって、ループ状ではないと言うことをまず踏まえて天体観測をするべきであると言えるでしょう。

さらに、恒星がガス天体であると見たら、説明できない天体もあるのです。

ベテルギウスは、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンと冬の大三角を形作る事でも知られています。

このベテルギウスには、巨大な瘤がありしかも長期的に存在しています。

これは、ベテルギウスをガス天体と見ると説明不能になります。

ベテルギウスは実は天に浮かぶ巨大な泥水の球体であると見れば、矛盾なく説明できます。

ベテルギウスの表面は泥水が宇宙空間との温度差で冷えて固化していて、その一部に出来た亀裂から膨大な量の泥水の噴水が吹き上がり、ベテルギウスの強力な重力によって宇宙に拡散せずに表面近くに留まって大きな瘤になっていると見れば良いわけです。

近年の研究で、プラズマは気体中だけでなく、液体や固体の中でも発生し存在できることがわかっています。

水分子には極性があり小さな磁石と見る事が可能なので、水分子の強力な流れは磁場の流れとなるわけです。

実際にはランダムに水分子が向いた状態であるために磁気的な中性になる場合が多いが、ちょっとだけバランスが崩れれば、水分子の強力な流れは磁場の流れとなります。

自転が回転する磁場を生み電場が生じ、結果として電磁場に天体内部は満たされていきます。

回転磁場が電流を生み、天体に極性が生じて全体はトーラス状の磁場に包まれることになります。

実際の天体の内部はもっと複雑なので、説明はもっとややこしくなるけど、原理は基本的には今見てきたとおりです。

限りなく無重力に近い宇宙空間に浮かぶガス球体は、物凄い低温の空間に浮かんでいる以上冷却され、液状化していると見る方が自然だし、水は宇宙で意外とありふれた存在であることが明らかになってきたので、天体は基本的にはみな、泥水の球体と考えたら無理なく説明できます。

つまり、核融合で光り続けてるガス天体などといった存在は、壮大な空想科学だったと言えるでしょう。

宇宙空間に浮かぶ天体は皆、泥水のお団子なのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プラズマ宇宙論。

国際的に展開されている理論でありながら、日本には今の時点(2015年6月11日現在)では、理論の全体像がほとんど紹介されていないのがプラズマ宇宙論です。

プラズマ宇宙論は国際的にはElectric Universe Theoryの名で展開されています。

宇宙は99.999%プラズマで構成され、小は原子から大は宇宙に至るまで階層性がみられるのです。

電子は原子核の周囲の軌道を回る点では、輪のある惑星や衛星のある惑星、太陽系と基本的には似ています。

そして、電子の作用によって、電磁的現象である電磁気や電磁波、さまざまな化学反応などの説明が可能になってきました。

宇宙を作り動かしている力として、四つの基本的な力「電磁相互作用、弱い相互作用、強い相互作用、重力」が知られています。

そのうち、電磁相互作用、弱い相互作用、強い相互作用までは統一理論が作られているのです。

そうなってきたら、すべてを電磁相互作用を基礎に説明したくなるのが人情と言うものです。

なにしろ、生化学現象を含むすべての化学現象や、身体を制御する神経回路、社会全体を制御する可能性を持っている各種のネットワークの統合システム、電離層やオーロラなど大気

プラズマ現象に至るまで、電磁相互作用なのです。

そしてこれらは普遍的原理に元ずく以上、当然宇宙全体での普遍性もあるはずなのです。

一つネックなのが、重力です。

電気は+と-、磁気はSとN、という対があるのに、重力には引力しかないと見られてきたからなのです。

だが重力に引力しかないと見ると、相対性理論では宇宙は成立以前に崩壊、というより、そもそも、展開できないのです。

そこでアインシュタインは宇宙定数を、引力と大きさが同じで方向が反対な力として、導入しました。

この宇宙定数は、今また、宇宙論で注目されているようですが、重力が一定と言うことは、引力が一定であると言うことです。

そして宇宙定数は、引力の大きさが永遠不変という前提のもとで、導入されているはずです。

だからこそ、膨張宇宙論に飛びついたアインシュタインは自ら宇宙定数を投げ出してしまったはずなのです。

とするなら、引力と宇宙定数からなる力を重力とすれば、全ての力の統一理論への道は開かれるはずです。

アインシュタインは重力を時空の歪みが生み出す力としました。

では、どのような力が歪みを生み出すのでしょう。

引力が歪みの結果である以上、歪みの原因は斥力以外ありえません。

成立以来、相対性理論と量子論に適応限界を決められてしまったとされた時まで、ニュートン力学はミクロからマクロまでの一貫した統一理論だったのです。

ミクロの世界は量子力学に譲って相対論による限界までの世界の高精度な近似的理論として再出発したニュートン力学が、もしも、重力も説明できるならどうでしょう。

量子力学は、重力をも含めて説明可能な、宇宙を説明する唯一の力学となる事でしょう。

そのとき、プラズマ宇宙論(Electric Universe Theory)は、ビッグバン宇宙論の強敵として立ちはだかる理論となる事でしょう。

残るのは、最後の一歩を何時踏み出すかなのです。

なにしろ、プラズマ宇宙論では、ビッグバン宇宙論を悩ませているダークマターやダークエネルギーの想定は必要ないのですから。

宇宙は99.999%プラズマで構成されるのでダークエネルギーを仮定しなくても良いし、エネルギーと質量の同等性からダークマターの質量も導き出せることでしょう。

天体の生成も、ダストプラズマやプラズマが正体と見られている球電によって説明できる可能性はあります。

さらに、宇宙にも遺伝子にも共通して見られるフィラメント構造や、ボイド構造と細胞など、興味深いことも、解明できるかもしれません。

なにしろ、宇宙の階層性はすでに、フラクタル理論に反映されているのです。

ビックバン宇宙論派自身が、その理論展開にはかなり空想的、恣意的、疑惑的な部分もあり、反対派も少なくないと、認めているのです。

今なお根強くいる定常宇宙論派は、ビックバンに妥協して準定常宇宙論に変質したと言われています。

よって、今後の定常宇宙論の主流はプラズマ宇宙論として、展開されていくことでしょう。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

星の誕生と球電?

 球電は、原因不明の大気電気現象です。

エンドウ豆サイズから数メートルの直径まで様々な大きさで発光する、球形の現象が報告されています。

球電は、通常、雷雲との関連が知られています。

雷雲が発生するとき、雷雲と地表との間には電位差が生じます。

電位差が大きくなると、大気の絶縁が破られて雷雲と地表との間に放電が起きます。

この放電が、雷です。

球電は、この雷雲が発生した時に目撃されることが多いのです。

それも、雷雨の時が多いようです。

 水分子は極性を持つことが、知られています。

雨が降るほどに湿度が高いと言うことは、極性を持つ粒子が高い密度で空中を舞っているのと同じことです。

極性を持つと言うことは、電気的な中性状態が破れていると言うことであり、一種の疑似プラズマがそこにあるのと実質的に同じと言えるでしょう。

余談だが、プラズマには生命と似た現象が知られているが、水は液状の疑似プラズマであり、生命現象と水が密接な繋がりを持つのは決して偶然ではないのかも、知れません。

一種の疑似プラズマである水分子が、何らかの理由で密度分布が濃くなった場合、電磁波と重力波が類似な式で記述可能である事情によって、高密度な疑似プラズマ球体が生まれたとします。

その高密度な疑似プラズマ球体が、高い電位差の中に置かれた場合、正真正銘のプラズマ球体に転じ、球電が生じた可能性は考えても良いのではないでしょうか。

数メートルの直径にまで成長するメカニズムは、謎だが、湿度が一応ではないことは、考えても良いのかも知れません。

ここで、宇宙空間に目を転じてみましょう。

宇宙空間は、99.999999%つまり100%近くがプラズマで出来ています。

この宇宙空間、ダークマターやダークエネルギーは不均等な分布をし、天体はこのダークマターやダークエネルギーに包まれていることがわかってきました。

そして、宇宙はこのダークマターやダークエネルギーの不均等な分布が生じたことで誕生したと見られています。

興味深いことに、プラズマは周囲のダクトを引き寄せる力を持つことが知られていて、空気清浄機に応用されています。

 もし、ダークエネルギーの正体が高濃度プラズマであり、ダークマターの正体が引き寄せられたプラズマダクトだとしたらどうでしょう。

そこの中はあたかも高電位に帯電した雷雲がいくつも散在するのと、似たことが起きていないでしょうか。

高濃度に帯電した雷雲のようなダークマターの集積の中、巨大なプラズマの塊である球電が誕生し、プラズマダクトの塊に転化して、さまざまな天体が生まれていたと見てはどうでしょう。

実際、まるで高濃度の雲のようなくらい星雲の中で星は誕生し、輝きだしているのです。

球電の謎の解明は、星の誕生の謎を解く鍵を握っているのかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界の基本は二重螺旋で表現可能?

「シュレーディンガーの猫」は、量子力学が引き起こす奇妙な現象を説明する際の例示に用いられる有名な思考実験です。

「シュレーディンガーの猫」とも「シュレディンガーの猫」とも呼ばれる実験とは、量子力学の問題点を突く思考実験として、物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーが1935年に発表したもので

した。

この実験は、当時多くの科学者や哲学者を巻き込んだノイマン-ウィグナー理論に対する反論でした。

今となってはややこしい割に専門外の人には、はっきり言ってどうでもいい議論なので詳しい話は省きます。

ようは、実験結果の検証や認識にかかわる議論だったとだけ言っておきます。

気になる人は、ノイマン-ウィグナー理論で検索してみてください。

結果は、起こり得ると言うものでした。

その実験と言うのはこういうものです。

あくまでも、もし行ったらどうなるかをシュミレーションするのであって、本当にやるわけではないので誤解しないでください。

蓋のある箱を用意して、この中に猫を一匹入れます。

この箱の中には、放射性物質のラジウムを一定量と、ガイガーカウンターを1台、青酸ガスの発生装置を1台入れてあるものとします。

箱の中にあるラジウムがアルファ粒子を出すと、これをガイガーカウンターが感知して、その先についた青酸ガスの発生装置が作動する設定になっています。

ラジウムからアルファ粒子が出なければ、青酸ガスの発生装置は作動せず、箱に入れられた猫は生き残ることになります。

一定時間経過後、果たして猫は生きているか死んでいるか、というわけです。

この系において、猫の生死はアルファ粒子が出たかどうかのみにより決定すると仮定します。

アルファ粒子は、原子核のアルファ崩壊にともなって放出されます。

このとき、例えば箱に入れたラジウムが1時間以内にアルファ崩壊してアルファ粒子が放出される確率は50%だとします。

この箱の蓋を閉めてから1時間後に蓋を開けて観測したとき、猫が生きている確率は50%、死んでいる確率も50%となります。

したがって、この猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっていると解釈しなければならなくなります。

我々は経験上、猫が生きている状態と猫が死んでいる状態という二つの状態を認識することができます。

けれども、このような生きている状態と死んでいる状態が重なり合っているような、重なりあった状態を認識することはありません。

これが科学的に大きな問題となるのは、例え実際に妥当な手法を用いて実験を行ったとしても、観測して得られるのは実験結果は既に出た結果だということです。

重なり合ってない状態しかでない実験結果では、本当に知りたいことは重なりあった状態だったのにやった意味がなく、検証のしようがないということでなのです。

シュレーディンガーは量子力学の確率解釈を容易な方法で巨視的な実験系にすることができることを示し、そこから得られる結論の異常さを示したのでした。

シュレーディンガーは、これをパラドックスと呼びました。

現在では、「シュレーディンガーの猫」のような巨視的に量子力学の効果が現れる実験系が知られてます。

巨視的量子現象のなかで最も注目されているのが、ボース-アインシュタイン凝縮です。

ボース-アインシュタイン凝縮は、巨視的な数の粒子が同一の基底状態を占有し、巨視的なスケールにわたって量子力学的な位相を揃えた状態です。

超伝導現象や液体ヘリウムの超流動現象なども、ボース-アインシュタイン凝縮の結果として理解することができます。

超伝導現象は超電導現象とも呼ばれ、リニアモーターカーなどで知っている人も多いことでしょう。

実用化としては、地味だけど鉄道の送電線にも近年では使われ始めて省電力になることが期待されています。

液体ヘリウムの超流動現象とは、容器の中から勝手に流れ出してしまうとっても奇妙な現象です。

話を戻しましょう。

古典確率では説明できない相関やそれに関わる現象を漠然と指す用語として、量子もつれと言う言葉がもちいられます。

現在では、アルベルト・アインシュタイン、ボリス・ポドルスキー、ネイサン・ローゼンの3人の思考実験が提起したことにちなんで、頭文字をとってEPRパラドックスと呼ばれるアインシュタイン

=ポドルスキー=ローゼンのパラドックスの方がはるかに有名です。

このEPRパラドックスにちなんで、このような量子もつれ状態はEPR相関と呼ばれています。

「シュレーディンガーの猫」のパラドックスは、しばしば量子もつれと関連つけて語られます。

それと言うのも、量子もつれとは、状態の重ね合わせとして紹介されるけど、混合でもなければ、相互に打ち消し合ってしまうこともなく、どちらの状態も独立に存在しつつ重なり合っている状態な

のです。

 まさに、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっていると解釈される「シュレーディンガーの猫」ですね。

このような、どちらの状態も独立に存在しつつ重なり合っている状態は、二次元では表示が困難です。

でも、三次元で表現したらどうなるでしょう。

 二次元では波動として表現されるが、三次元では螺旋(らせん)になる可能性がある。

電子は、パウリの排他律で一つの軌道に2つと決まっています。

二次元の波動では、スピンの上向きと下向きで重ね合わせでは打消しを連想しそうになるけれど、実際にはどちらの電子もあります。

もしかすると、二重螺旋モデルの方が適切かもしれないですね。

銀河系中心の磁場を調べて、二重螺旋の星雲が、銀河面に対して垂直な中心軸のまわりを回転しているという結論を導き出したと言う報告もあります。

 二重螺旋と言えば、少し前まではDNA位しか知られていませんでした。

ロスアラモス国立研究所の物理学者であったアンソニー・ペラットは、集合したプラズマが合体して銀河と同じ螺旋構造を形成するのを発見したという情報を友人のブログから得たと言います。

パルス発電機でX線放射の実験を行っていた時に、発生したプラズマ・フィラメントが互いの磁場で引き寄せられて集合、合体したら、螺旋構造になったそうです。

量子もつれもまた、二重螺旋で表現したほうが良いのかも知れません。

 二重螺旋で表現すれば、重ね合わせであっても、どちらの可能性も打ち消されない。

そういえば、生命現象自体も、新陳代謝で新しく生まれる細胞もあれば死んでいく細胞もあるわけです。

成長期を除けば、生まれる細胞も死ぬ細胞もほぼ同数と見ても良いでしょう。

神経細胞のように、一生ものの細胞もありますけどね。

 生命活動自体が、生と死の重ね合わせと言える。

もしかすると、二重螺旋で多くの現象は理解できるかもしれません。

 直交してる電場と磁場、あるいは、電界と磁界の中を、それぞれの波動が伝播していく描像が一般的だけど、ひょっとしたら二重螺旋で表現可能かも知れない。

電場から磁場、磁場から電場が生まれていくさまは、まるで、DNAの複製過程さながらですからね。

具体的な過程にはもちろん差はあるけど…。

そうやって、新たな電磁波や電磁場が生まれていくわけですから。

追記

興味惹かれる研究成果がありました。

二重でこそないが、螺旋構造の探求に新たな展開です。

「右巻き、左巻きらせん」電子雲の歪み配列の可視化に成功 | 理化学研究所

| | コメント (0) | トラックバック (0)

またもビッグバン理論に危機?!

ナショナルジオグラフィックニュース2014年9月11日付に、面白い記事がありました。

またしても、ビッグバン理論に見直しが迫られていると言うのです。
修正を繰り返して、完成に近づくなら良いのですが、いろいろと突っ込み処満載な展開をしています。
最近では宇宙定数にまで色目を使っているけれど、これ、本来はアインシュタインが定常宇宙を前提に導入した、万有引力と大きさが同じで反対方向に働く力なのです。
つまり、マクロからミクロまで働いている引力と釣り合う力として宇宙定数は導入されたので、引力より大きいとしたら、素粒子はとっくの昔にぶっ壊れてないとおかしいはずなのです。
さらに、ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー(暗黒エネルギー)という仮説を、プラズマ宇宙論では必要としていません。
プラズマ宇宙論は、宇宙的スケールの現象は重力だけではなく、宇宙の全バリオン物質の99.9%を占める電気伝導性の気体プラズマの運動に起因する、巨大な電流と強力な磁場の影響を大きく受けているとする理論です。
そして電磁気力と重力の相互作用によって、壮大な現象を説明できると主張しています。
プラズマ宇宙論では、ダークマター(暗黒物質)やダークエネルギー(暗黒エネルギー)とは、バリオン物質の99.9%を占める気体プラズマの質量やエネルギーとして説明できると言うことなのでしょう。

ナショナルジオグラフィック ニュース

ビックバンの見直しを迫る新たな観測

Michael D. Lemonick

for National Geographic News

September 11, 2014

 地球から約8万光年の距離にある星団でも、どうやら私たちの銀河と同様に、金属元素のリチウムの量が理論上の値よりも大幅に少ないらしいことが、9月10日に発表された最新の研究で明らかになった。

ビッグバン理論の見直し迫る新たな観測

写真を拡大


ビッグバン理論の見直し迫る新たな観測

 このリチウム量の不足から考えられる可能性は、これまでの天体物理学研究ではビッグバンを十分に説明できていないか、恒星のはたらきを十分に説明できていないかのいずれかであると、論文の著者らは示している。ただし、今回の発見は、ビッグバンの概念そのものを覆すものではない。

「この(リチウム量の)問題に関する最も極端な説明は、ビッグバン理論が不完全であるということだ。そこまで極端にならずに、この問題を説明する方法は見つかっていない」と、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の理論物理学者ブライアン・フィールズ(Brian Fields)氏は言う。フィールズ氏は今回の観測には参加していない。

 宇宙についての基本的な理論では、宇宙は誕生後の数分間、ちょうど原子炉のような働きをして、最も軽い3つの元素である水素、ヘリウム、リチウムを生成したとされている。これより重い、酸素や窒素や炭素やケイ素などの元素は、それ以降に、恒星の核の中か、強力な超新星爆発において作られたという。

 最初期の核反応に関するこうした理解に基づいて、最も軽い3つの元素がどれだけ生成されたかが理論上予測された、とカリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)の物理学者ジョエル・プリマック(Joel Primack)氏は説明する。なお、プリマック氏も今回の観測には参加していない。全体的に見て、これらの予測は正確に当たっていた。「宇宙学の最大の成功の1つだ」とプリマック氏は言う。

 だがそれも、リチウムには当てはまらない。「リチウムについては、この予測は私たちが実際に恒星で確認できた数値より、約3倍も多かった」とプリマック氏は言う。

◆別の銀河系ではどうなる?

 リチウムの量が予測より少ないことは、フランソワ・スピート(Francois Spite)氏とモニク・スピート(Monique Spite)氏の計測によって、1982年に初めて明らかになった。この2人は夫婦でともに天文学者である。「その後も多くの人が計測し直して、やはり同じ結果を得ている」とプリマック氏は言う。

 ただし、天の川銀河の外の恒星におけるリチウムの量は、これまで計測されてこなかった。初めてそれを行ったのが、ボローニャ大学のアレッシオ・ムッチャレッリ(Alessio Mucciarelli)氏らによる今回の研究である。「ほかの銀河系でもこの問題が同じであるなら、ローカルな問題ではなく全宇宙的な問題なのだと確認できるだろう」とムッチャレッリ氏は言う。

 チームが観測対象に選んだのは、いて座矮小楕円銀河に属する球状星団M54(メシエ54)だ。「これらの星は非常に暗いので、正直なところ、うまく行くかどうかも定かでなかった」とムッチャレッリ氏は言う。

 最終的には、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTを用いた30時間の観測によって、天の川銀河の外にある恒星でも、やはりリチウム量は予測より少ないとの確証を得た。

◆謎は深まるばかり

 リチウム量の不足の説明として考えられるものの1つは、恒星にはもともと現在より多くのリチウムが含まれていたが、核反応によって破壊されたという説だ。「そんなに突飛な考えではないが、詳細まで確認するのは難しい」とフィールズ氏は言う。

 より可能性の高い説明として、フィールズ氏とプリマック氏がともに認めているのは、ビッグバン直後の最初の数分間に、これまでの研究では明らかになっていない何らかのエネルギー放出があって、リチウムの生成が抑制された、というものだ。もしそうだとすれば、リチウムははじめ、くずのような形で誕生し、それがやがて崩壊して暗黒物質(ダークマター)になった可能性がある。

 プリマック氏は、もしそうであれば「このリチウムの問題から窺えることは、恒星に関する些細な事柄などではなく、ダークマターに関する根本的な事柄なのかもしれない」と言う。

 ダークマターの性質は、宇宙学の分野で今なお謎とされている主要な問題の1つなので、プリマック氏の仮説の通りなら、これは本当に大きな話になってくる。

 球状星団M54のリチウム量に関する今回の論文は、「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」誌のオンライン版に9月10日付けで掲載された。

Photograph by ESO

| | コメント (0) | トラックバック (0)

不確定性の裏に確定性も隠れていた?

「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」に関する「ハイゼンベルクの不等式」が破れていることがわかったという記事です。

注目したいのはここ。

2つの物理量がハイゼンベルクの不等式によって制限されると思われていたものよりも高い精度で同時に測定可能であることを示しているほか、実験結果は小澤の不等式を満たしているものの、小澤の不等式における下限値よりもかなり大きい領域にある一方で、ブランシアードの不等式の下限に近接しており、 理想的な実験を行った場合にはブランシアードの不等式が誤差と擾乱の関係の下限値を与えることが示された。

これが一体何を意味するのかです。

これまでの測定で、波動性の裏に隠れていた粒子性が示す性質が観測されたのかも知れません。

今後の研究成果の注目です。

"測定誤差と擾乱に関する不確定性関係"の新たな不等式の検証に成功 -東北大
  [2013/12/25]

東北大学は12月25日、量子力学の基本原理の1つである「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」に関して、「ハイゼンベルクの不等式」が破れており、「小澤の不等式」ならびに、2013年に新たに提案された「ブランシアードの不等式」が成立していることを、量子状態の弱値を得ることが可能な「弱測定」を用いた実験で検証することに成功したと発表した。

同成果は、同大電気通信研究所の枝松圭一 教授、名古屋大学大学院情報科学研究科の小澤正直教授らによるもの。詳細は2013年12月26日付の米国物理学会論文誌「Physical Review Letters」オンライン版に掲載される予定だ。

これまで研究グループは、量子力学の基本原理の1つである「測定誤差と擾乱に関する不確定性関係」として知られる「ハイゼンベルクの関係式」が破れており、名大の小澤教授が発見した新しい関係式(小澤の不等式)が成立していることなどを明らかにしてきたが、小澤の不等式のがε(A)=0またはη(B)=0ではない場合、両辺の等号が成立する場合があるのか、より厳しくかつ常に成立する不等式は存在するのかなどの疑問が残されていた。

こうした謎の解明に向け、2013年にはオーストラリア・クイーンズランド大学のCyril Branciard博士が小澤の不等式を改良し、ε(A)=0またはη(B)=0以外の場合にも等号が成立する場合がある、より厳しい関係式(ブランシアードの不等式)を導き出していた。

015

ブランシアードの不等式

また、同博士は、電子スピンの向きの測定や光子の偏光の測定の場合などにおいて成立するさらに厳しい不等式も導きだしており、この不等式が理想的な場合には両辺の間に等号が成り立つことが判明していたが、これらの不等式(ブランシアードの不等式)の実験的検証が求められていた。

016

電子スピンの向きの測定や光子の偏光の測定の場合などにおいて成立するブランシアードの不等式

そこで研究グループは今回、光の偏光に関する計測法「弱測定」を用いて、小澤の不等式とブランシアードの不等式が成立すること、ならびに測定された誤差と擾乱の関係が、ブランシアードの不等式が予言する限界に近いものとなっていることを実験的に確認することに成功した。

具体的には、光の量子である「光子」の偏光を用い、縦横方向の偏光測定の強度を変化させたときの、「縦横方向の偏光測定における誤差」および「その測定によって斜め45度方向の偏光が受ける擾乱」を計測。

011

図2 MAにおける縦横方向の偏光測定の強度(横軸)を変化させたときの、「縦横方向の偏光測定における誤差(青線)」および「その測定によって斜め45度方向の偏光が受ける擾乱(赤線)」の計測結果。○と□が計測結果で、破線は理想的測定装置の理論値、実践は実際の測定装置の性能を加味した理論値。測定強度が大きくなるに伴い、誤差は減少する一方、擾乱は増大し、両者の間にトレードオフの関係があることがわかる

測定誤差と擾乱の計測に用いられた弱測定法は、誤差や擾乱の計測を行いたい実験装置(MA)の前段に弱測定の実験装置(WP)を配置し、WPの測定結果とMAの測定結果を比較することで、MAの誤差や擾乱を計測することができるもので、今回の実験では、測定の強さが弱いWPを採用し、測定対象となる系(=光子の偏光状態)をほとんど変えることなく、精密に誤差や擾乱を評価する手法を開発した(この測定系はブランシアードの不等式が成立するための必要な条件を満たしている)。

012

光子の偏光における弱測定法を用いた測定誤差と擾乱の計測装置。半導体レーザー(LD)から出た光は単一光子レベルまで減光された後、円偏光として装置に入射する。中央の黄色の部分が弱測定(WP)の実験装置で、縦横偏光(誤差の計測の場合)あるいは斜め45度方向(擾乱の計測の場合)のいずれかの偏光測定を弱い測定強度で行う。その後の水色の部分が主測定装置(MA)であり、縦横方向の偏光測定を種々の測定強度で行う。その後の紫色の部分(PM)は斜め45度方向の偏光測定を行う。各々の測定装置によって2光路のどちらかに出力された光子は、最後に8台の検出器のいずれかで検出される。光子がどの検出器で検出されたかによって、WP、MAおよびPMの測定結果がわかる。WPの測定結果とMA(PM)の偏光測定の結果を比較することで誤差(擾乱)を計測する

MAにおける測定の強度(横軸)を変化させたときの、誤差および擾乱に関する不等式の成立状況を見ると、図から、ハイゼンベルクの不等式の左辺は右辺を下回り、不等式が破れているのに対し、小澤の不等式ならびにブランシアードの不等式が保たれていることが分かった。特に、ハイゼンベルクの不等式の左辺は、不等式が予言する下限C=0.995に近い値となっており、同不等式において等号が成立する条件に近い状態が実現されていることが分かったほか、光学素子(偏光プリズム)の不完全性を考慮した場合の理論値と比べても実験値をよく再現していることが判明した。

013

MAにおける測定の強度(横軸)を変化させたときの、誤差および擾乱に関する不等式の成立状況。○や□などのマークは実験結果。破線は理想的測定装置の理論値で実線は実際の測定装置の性能を加味した理論値。青線がハイゼンベルクの不等式の左辺、赤のデータが小澤の不等式の左辺、紫および緑のデータがブランシアードの不等式の左辺。不等式の右辺はいずれもC=0.995で、中央のグレーの実線で表されている。ハイゼンベルクの不等式の左辺は右辺を下回り、不等式が破れているのに対し、その他の不等式は保たれていることが分かる。中でもブランシアードの不等式(緑側)の左辺の実験値は下限値C=0.995に近いことが分かる

さらに誤差と擾乱に関する測定結果と不等式の下限値を、誤差を横軸、擾乱を縦軸にプロットしてみると、実験び結果はハイゼンベルクの不等式を破り、他の不等式は満たす領域にあることが判明。このことは、2つの物理量(この場合は縦横方向偏光と斜め45度方向の偏光)に関する誤差と擾乱がハイゼンベルクの不等式から予言される下限値よりも小さいこと、つまり、2つの物理量がハイゼンベルクの不等式によって制限されると思われていたものよりも高い精度で同時に測定可能であることを示しているほか、実験結果は小澤の不等式を満たしているものの、小澤の不等式における下限値よりもかなり大きい領域にある一方で、ブランシアードの不等式の下限に近接しており、 理想的な実験を行った場合にはブランシアードの不等式が誤差と擾乱の関係の下限値を与えることが示された。

014

誤差と擾乱に関する測定結果と不等式の下限値を、誤差を横軸、擾乱を縦軸にプロットしたもの。黒丸は実験結果。黒点線は実際の測定装置の性能を加味した理論値。青の実線がハイゼンベルクの不等式、赤の点線が小澤の不等式、紫の破線および緑の一点鎖線がブランシアードの不等式における下限値。各々の下限値より左下方は不等式を破る領域で、実験値はハイゼンベルクの不等式を破り、他の不等式は満たす領域にある。特に、ブランシアードの不等式(緑線)の下限に近接していることがわかる

今回の研究について研究グループでは、新たに提案されたブランシアードの不等式に対する初の検証実験であり、小澤の不等式よりも厳しいブランシアードの不等式が検証されるとともに、誤差と擾乱が達し得る下限に関して新たな知見に達することができたとする。また、弱測定法は、誤差と擾乱を計測する以外にも、被測定系の状態を変化させずに物理量を計測する一般的な計測法として期待されてきており、今回の研究で用いた被測定系の状態をほとんど変化させないほぼ理想的な弱測定系の実現により、誤差と擾乱に関する明瞭な検証実験が可能になったで、物理のみならず科学技術一般に広く行われる「測定」という行為に対し根本的な制限を課す「不確定性関係」への見直しとなることはもちろん、従来の不確定性関係の枠を超えた超精密測定技術や新たな量子情報通信技術の開発などの多くの応用を拓くことが期待できるとコメントしている。

また、光子の偏光は、各々の測定結果は2通り(例えば縦偏光と横偏光のどちらか)となる点で、電子や中性子における「スピン」と同じ2次元系とみなせることから、今後は、さらに次元の高い物理状態や、ハイゼンベルクのガンマ線顕微鏡の思考実験で出てくる位置と運動量などのように、連続的な値を取り得る物理状態に対する不確定性を検証する実験にも取り組んでいき、不確定性に関するさらなる理解と応用を広げていければとしている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

電子のさざ波の正体は何?

興味深い記事が出ました。

電子のさざ波観測に成功したというのです。

この波が果たして、数学的な、あるいは、確率論的な波でしょうか。

当然、物理的な波と解釈するのが自然と思います。

量子力学は、当初、光の研究から始まったのであり、光の波動性は物理的だったからこそ、媒質の有無が問題になったはずです。

北大と筑波大、10fs以下の時間のみに存在する電子のさざ波の観測に成功

日野雄太  [2013/12/25]

北海道大学(北大)と筑波大学は12月20日、10-14秒以下の(10fs以下)の短い時間内しか発生しない、電子のさざ波の動きを観測したと発表した。

同成果は、北大 電子科学研究所の三澤弘明教授、筑波大学 数理物質系の久保敦講師らによるもの。

詳細は、Nature Publishing Groupの「Light:Science & Applications」に掲載された。

近年、地球規模で環境・エネルギー問題が顕在化しつつあり、光触媒や色素増感太陽電池などといった光をエネルギー源・駆動源とする光化学の研究は一段と重要性が増している。

真の低炭素社会を実現するためには、光エネルギーを余すところなく利用できる光反応場の構築が強く求められている。研究グループでは、この光子の有効利用の概念を世界にさきがけて提唱し、金属ナノ構造が示す光アンテナ効果により光エネルギーを高効率に利用する光-分子強結合反応場の創成を目指して、研究開発を推進してきた。

また、金属ナノ構造が示すプラズモン共鳴に基づく光アンテナ効果を太陽電池や人工光合成など種々の光エネルギー変換系に適用する、高効率な光エネルギー変換デバイスの開発も進めている。

今回、透明な半導体として知られる酸化チタン単結晶基板上に、光アンテナ構造として髪の毛の太さの1/1000程度の金ナノ構造を高密度に配置した基板を作製し、フェムト秒レーザ(パルス幅:7fs)を励起光源とした光電子顕微鏡(空間分解能:7nm)により、金ナノ構造に誘起される局在表面プラズモン共鳴の光電場強度分布や位相緩和過程をポンプアンドプローブ法により追跡した。

この結果、光アンテナ機能を有する金属ナノ構造体が光電場と強くカップリングすることにより光を微小空間に束縛し、閉じ込める物理現象を高い空間分解能で計測することに成功した。

そして、図1のように、ナノギャップを有する金構造体を光電子顕微鏡で確認した。

図の輝点は、金属ナノ構造がアンテナとなって光エネルギーを捕獲し、それを超微細な領域であるナノギャップに凝集できていることを示している。

これには、光子の有効利用を促進する効果がある。また、光の速度が高速のために、このようなナノ構造体に光は10-15秒以下の時間帯しか相互作用できないが、プラズモンの波は光が通り過ぎた後もしばらく継続し、10-14秒以下ほどで減衰する様子が観測された。

さらに、計測された光電子顕微鏡像を2つ目のレーザ光パルスの遅延時間を変化させて測定し、コマ写真の要領で並べると、プラズモンの波と光の波の位相の重なり程度により明滅を繰り返し、減衰する過程が観測された。

001
図1 ナノギャップを有する金構造体の光電子顕微鏡像(水銀ランプ+フェムト秒レーザ励起)。挿入図は、典型的なナノギャップ金構造体の電子顕微鏡写真

002_1
図2 光電子顕微鏡像および光電子強度のレーザ光パルス(プローブ光)の遅延時間依存性

近年、金ナノ微粒子は半導体基板と組み合わせることにより、可視光や赤外光を高効率にエネルギーに変換する太陽電池や人工光合成系の光アンテナとして注目されている。

今回の成果は、金ナノ構造が示すプラズモン増強による光電場強度分布やそのダイナミクスを明らかにしたものであり、この測定法は金属から半導体への電子移動反応サイトの解明や素過程の追跡において有用な方法になると考えられる。

今後、プラズモン光アンテナを用いた光エネルギー変換デバイスの高効率化に向け、この方法論が活用されていくものと期待されるとコメントしている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧