オセアニア

余計なお世話、有難迷惑なスパイ防止法。余計な屋上屋になる危険性を考える

余計なお世話、有難迷惑なスパイ防止法――そんな言葉が頭をよぎります。

日本で「スパイ防止法」の制定が議論されるたびに、私は立ち止まって考えます。

本当に必要なのか、と。

結論から言えば、現行法で十分対応可能な以上、むしろ余計な屋上屋になりかねず、有難迷惑な法律になる危険性の方が高いのではないでしょうか。

スパイ防止法より現場と市民意識を重視すべき理由

現行法で十分対応可能

日本では、スパイ行為に対応するための法律や仕組みはすでに整っています。

刑法では、外国勢力に協力して国家に危害を加える行為は、外患罪や外患援助の枠で処罰可能。

特定秘密保護法、不正競争防止法でも:防衛・外交・重要技術などの秘密情報を不正に取得・漏洩した場合も刑事処罰の対象。

現場レベルの運用については、アクセス権限管理、漏洩リスクの物理・電子制御、定期研修や倫理教育の実施。

現行法と仕組みを適切に運用することで、思想や政治的傾向に関係なくスパイ行為に対応可能です。

 

歴史が示す過剰権力の危険性

歴史を見ると、「国家安全」を名目に作られた法律は、恣意的に運用されるリスクがあります。

戦前・戦中の日本の治安維持法の場合、思想的に反体制的な人々が逮捕。学者やジャーナリストも対象。

スターリン時代のソ連の場合、数百万人が「スパイ」や「反革命分子」とされ、逮捕・収容・処刑。

アメリカ・マッカーシズムの場合、俳優やジャーナリストが共産主義者疑惑で職を失う。

ナチス・ドイツの場合、保護拘禁令やゲシュタポにより政治的反対者や少数派が「国家の敵」とされる。

法律や制度の字面よりも権力者の裁量が優先されると、自由や社会の健全性が侵害されるのです。

 

海外の成功事例に学ぶ

過剰な権力に頼らず効果的に運用されている例もあります。

アメリカ・欧州では、アクセス管理や教育、リスク意識向上を中心に、思想や言動の監視なしで情報漏洩防止に成功。

オーストラリア・カナダでも、心理的サポートや倫理教育を組み合わせ、インサイダーリスクの早期発見に注力。

ポイントは、逮捕や処罰を最終手段にし、現場や社会の仕組みで未然防止することです。

 

日本の場合:法律だけでなく仕組みと教育で対応可能

アクセス権限と情報管理によって、特定秘密保護法の運用で、誰がどの情報にアクセスできるかを厳格に管理。

教育・研修の実施で、公務員や関係者への定期研修や倫理教育。

企業や研究機関の内部統制の継続で、営業秘密・技術情報の管理、ITシステムによる監視・制御。

現行法と仕組みだけで、スパイ行為・情報漏洩のリスクを十分にカバーできます。

 

私たち市民に求められること

法律や制度に頼るだけでなく、市民一人ひとりの意識と行動も重要です。

情報リテラシーを高め、情報の信頼性・出所・意図を見極める。

権力の恣意的運用に敏感になって、法律や制度が透明で公正かどうかを見守る。

自己の権利・自由を守り、個人情報や職務上の機密情報を軽々しく漏らさない。

仕組みや教育に協力する社会的責任を果たして、組織や地域で情報管理ルールを理解・遵守する。

 

まとめ:スパイ防止法より現場と市民意識の強化を

現行法で十分対応可能な状況で、新たなスパイ防止法のような強権的立法に頼る必要はありません。

むしろ、次の取り組みに注力する方が、現実的で安全です。

現場の仕組み・アクセス管理・教育の徹底。

社会全体で情報リスク意識を高める市民教育。

権力の透明性をチェックする市民の目。

歴史が示す危険性を踏まえ、私たち市民一人ひとりが意識と行動で支えることこそ、最も確かなスパイ防止策と言えるでしょう。

 

感情的な声や議論に流されそうになる前に、立ち止まって考えてみたいものです。

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聖書と神話の受け止め方から見える、世界の心のかたち 文化圏ごとの向き合い方の違いとユング心理学への視点

世界の神話や聖書に対する人々の受け止め方を見ると、文化圏ごとに興味深い違いが浮かび上がります。

 

日本では、神話や聖書的物語を個人の信仰や道徳規範としてではなく、象徴や文化、自然との調和の中で柔軟に受け止める傾向があります。

物語の意味を多層的に読み取り、自然や社会、文化との共鳴として理解する。

この感覚は、ユング心理学の元型や集合的無意識の象徴的解釈と非常に相性が良いのです。

また、聖書の実践を優先する立場にも自然になじみます。

 

欧米文化圏では、物語や聖書は個人の信仰や倫理、救済の指針として理解されることが多く、象徴や物語を分析して個人心理に意味づけする傾向が強い。

ここでは、ユング心理学の「個人心理の深層を探る」視点が自然に対応します。

一方聖書の読み方としては、神は何を私たちに求めるかを探る神学的アプローチに偏る傾向が強まることになります。

 

日本以外のアジア地域では、日本と同様に象徴の多層性を重視し、自然や社会、文化との共鳴を意識した受け止め方が見られます。

日本と比べると生活や自然との直感的共鳴の度合いはやや控えめですが、象徴理解の柔軟さや文化・社会との関係性に注目する点では共通しています。

このため、ユング心理学との相性も比較的良く、元型や集合的無意識を文化や社会の文脈に合わせて理解することが可能です。

聖書の教えも、社会の中での生き様の模範として読まれる傾向が見えます。

 

つまり、日本も独自性はあるものの、広いアジアの文化的パターンの中に位置づけられるわけです。

 

アフリカやラテンアメリカ、オセアニアでは、神話や祭礼が日常生活や共同体、自然との関係の中で生きており、象徴は個人心理よりも生活や社会とのつながりの中で理解されます。

 

抽象的理論としてではなく、実践的・経験的に象徴を受け止める傾向が強く、ユング心理学も同様に、夢や儀礼、物語の象徴を日常や共同体の中で活かす形で理解されることが多いと言えます。

 

こうして整理すると、文化圏によって「神話や聖書、ユング心理学との接し方」に明確な違いがあることが分かります。

欧米は個人心理中心の抽象的解釈、日本やアジアは象徴の多層性と文化・社会との共鳴、日本はさらに生活や自然との直感的共鳴が強い、アフリカ・ラテンアメリカ・オセアニアは生活・共同体中心の実践的理解――この違いを比べながら考えることで、世界の心のかたちをより立体的に感じ取ることができます。

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モンゴロイド

DNA分析の成果によれば、現生人類発祥の地はアフリカにあるとされます。

 

人種間の遺伝的距離を計ると、人類集団はアフリカ人であるネグロイドと西ユーラシア人であるコーカソイドのグループ、およびサフール人と呼ばれるオーストラロイドと旧来モンゴロイドとされた東南・東アジア人によって構成される東ユーラシア人と南北アメリカ大陸に住むインディアン、エスキモーのグループの2つのグループに大別することができるとされます。

 

 そのうちのネグロイドは、現生人類の祖の直系の子孫とされますね。

 

黄色人種、モンゴル人種とも言うモンゴロイドは、形態人類学上の「人種」概念の一つです。
人種とは、ヒト・人間を分類する用法の1つで、生物学的な種や亜種とは、異なる概念です。
現生するヒトは、遺伝的に極めて均質であり、種や亜種に値する差異も存在しません。

 

肌の色はヒトという種の集団の分化の過程で選択圧を受けやすく最も短期間に変化する形質の一つであり、肌の色の類似または相違でいわゆる「人種」を区別することはできません。
肌の色を発現させる遺伝子についても、肌の色と同様いわゆる「人種」を区別することはできません。

 

 人種は混血可能な点で、イエネコのネコ種に近いわけですね。
 ネコ種によって外見の差はあっても、子供が出来ない組み合わせはないですから。

 

モンゴロイドの身体的特徴としては、目の下に蒙古襞(もうこひだ)というシワがある、鼻が低く獅子鼻、髭が薄い、歯が黄色い、顔以外では、蒙古斑といって乳幼児のお尻が青い、などが挙げられています。
ただし近年、蒙古斑は程度の差こそあれ、コーカソイドやネグロイドにもあることがわかってきたといいます。
コーカソイドの場合は蒙古斑の色が薄いため、ネグロイドの場合は肌の地色が濃いため、確認が難しかったそうです。

 

黄色人種の名はヨーロッパ人と比較した際のモンゴロイドの肌の色に由来するが、実際のモンゴロイドの肌の色は、淡黄白色から褐色までかなりの幅があります。
ネグロイドやオーストラロイドのような極端に黒い肌はみられないですけど。

 

近年のDNA分析によれば、モンゴロイドはアフリカからアラビア半島・インド亜大陸を経由し、ヒマラヤ山脈・アラカン山脈以東に移住した人々が、周囲の自然環境により他の「人種」との交流を絶たれ、その結果独自の遺伝的変異及び環境適応を経た結果誕生した「人種」であるとされます。
モンゴロイドの原初の居住地は、ヒマラヤ山脈及びアラカン山脈よりも東及び北側とみられています。

 

 日本人は、世界でも稀な古代血統とされるY遺伝子D系統を多く持つ人種ですよね。

 

世界的にも、日本人の他にはチベット人や中近東の人だけがこのDNAをもっていると指摘されます。

 

 日本人はY染色体DNAのD系統を高頻度で持つ事で有名と言うことは、アラビア半島周辺から移動を始めた頃の遺伝子を未だに持ってる人がそれだけ大勢暮らしているのが日本なんですね。

 

日本人にも、家族性地中海熱という遺伝性疾患の発症例が確認されていますからね。
近年、報告例は増えているそうだけど、認識が深まってきたので分類される場合が多くなった可能性はあるかも知れません。

 

名前に地中海とあるのは、この病気は地中海沿岸域の人々や、中近東つまり、ユダヤ人特にスペイン・ポルトガル系のユダヤ人であるセファルディ・トルコ人・アルメニア人に現れるからです。
原因遺伝子がわかってからは、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人の中にもこの疾患が見つかるようになりました。

 

そうなるとチベットは気になるけど、手元にデータがないので、どちらとも言いかねます。

 

各地域に住む人々のミトコンドリアDNAやY染色体、或いはヒトの核遺伝子を比較することにより、ヒトの移住の時期・系統・経路が推定出来ます。

 

近隣結合法を用いた斎藤成也による核遺伝子DNAの分析、Ingman et al.、篠田謙一らによるミトコンドリアDNAの分析によるモンゴロイドの出現について示すとこうなると言います。

 

ただし、特に斎藤はモンゴロイドという名称に異議を唱えていますけど。
またヒトは同一種であるため、用いる遺伝子によって異なる結果がでることもあり、小さなクラスターについては特に顕著となります。

 

20万〜15万年前、アフリカ大陸において現生人類であるホモ・サピエンスが出現したと言うのが人類のアフリカ単独起源説です。
その後10万年前にはアフリカ大陸の対岸に位置する中東地域に進出し、現在のコーカソイドの前身となります。

 

中東地域に進出した人類は、その後7万〜5万年前にサフール大陸すなわち現在のオセアニア地域に進出、オーストラロイドの前身となります。

 

さらに、5万〜4万年前には西方では地中海伝いにヨーロッパへ進出する一方、東方ではヒマラヤ山脈を越え東南アジア・東アジア方面に進出します。

 

ヨーロッパに進出したグループは、その後も中東地域および北アフリカ地域との交流が保たれたため、これらの地域の人々の間では遺伝的な差異が生じず、現在でも同じコーカソイドである西ユーラシア人に分類されます。

 

しかし、東南アジア・東アジア方面に進出した人々は、天然の要害であるヒマラヤ山脈・アラカン山脈が障害となり、中東・インド亜大陸の人々との交流を絶たれ、独自の遺伝的変異・環境適応を成し遂げることとなります。

 

これが、後のモンゴロイドです。

 

モンゴロイドは、東アジア、中央アジア、東南アジア、東ロシア、北極圏、南北アメリカ大陸、太平洋諸島、南アジアの北東部のほか、アフリカ近辺のマダガスカル島にも分布します。
アメリンドすなわちネイティブ・アメリカンとアイノイドつまりアイヌのどちらか一方もしくは両方を、別人種としてモンゴロイドに含めない用法もあります。

 

ユーラシア大陸東部のモンゴロイドは、寒冷適応の程度の軽重によって大きく古モンゴロイド・新モンゴロイドに区分されたが、遺伝的に見ると他の集団間の差異に比べて大きな隔たりは存在しないです。

 

 古モンゴロイドは旧モンゴロイドということもありますね。

 

モンゴル地域・中国東北部・朝鮮半島には新モンゴロイドが比重として圧倒的に多いのに対し、大陸南部や島嶼部へ行く程古モンゴロイドの比重が高まっているとされました。

 

DNA分析の結果等から現在は否定されているが、次にあげるような説が展開された時期もありました。

 

ユーラシア大陸東部に居住したモンゴロイドは、既に絶滅したとされる北京原人やジャワ原人の子孫であるという説。
ユーラシア大陸西部では、現代人の直系の祖先であるクロマニヨン人と既に絶滅したネアンデルタール人とが共存した時代を有することから、現代の欧州人はネアンデルタール人の血を引いているとの説があり、それと同様にモンゴロイドも北京原人やジャワ原人と現生人類との混血であるとする説。

 

現在の人類学では形質研究よりも遺伝子研究が重視されています。

 

遺伝子的には南方系モンゴロイドと北方系モンゴロイドと区分する場合もあります。

 

遺伝的な近縁関係から人類集団を分類する近年の学説では、先述の通り、アジアに居住を続けてのちに一部が太平洋諸島・マダガスカル島に移住した東ユーラシア人と、南北アメリカ大陸で分化した南北アメリカ人に、旧来の狭義の「モンゴロイド」が二分されるとします。

 

 アメリカ先住民であるネイティブ・アメリカンとアイヌや琉球人を古モンゴロイド、アイヌや琉球人以外のアジアのモンゴロイドを新モンゴロイドに、分けるやり方。

 

 アジアに居住を続けてのちに一部が太平洋諸島・マダガスカル島に移住した東ユーラシア人と、南北アメリカ大陸で分化した南北アメリカ人に、分けるやり方。

 

 だから、アメリンドすなわちネイティブ・アメリカンとアイノイドつまりアイヌのどちらか一方もしくは両方を、別人種としてモンゴロイドに含めない用法もあるとなる。

 

 その場合、新モンゴロイド、東ユーラシア人、に分類される人たちが狭い意味でのモンゴロイドということになる。

 

古モンゴロイドや新モンゴロイドとは、寒冷地適応を経ているか否かの違いを表したハーバード大学人類学教授William White Howellsによるモンゴロイドの分類で、日本では埴原和郎や尾本恵市らが用いているようです。

 

中東地域・インド亜大陸方面から東南アジア方面に進出したと考えられるモンゴロイドを、形態人類学では古モンゴロイドと区分しました。

 

 古モンゴロイドは、アジアではモンゴルの中央と東部地域、および中国北部、華南、東南アジアなどの地域に比較的多く見られるようですね。

 

日本列島に到達した縄文人は古モンゴロイドとされます。

 

古モンゴロイドは、熱帯雨林に適応した結果、低めの身長、薄めの肌の色、発達した頬骨、鼻梁が高く、両眼視できる視野が広い等の特徴を持つと考えられています。
他の、彫の深い顔、二重瞼、体毛が多いこと、湿った耳垢、波状の頭髪、厚い唇、多毛等の特徴は新モンゴロイド以外の多くの「人種」と共通します。

 

なお、現在、北米最古の人骨であるケネウィック人は古モンゴロイドと最も類似し、古モンゴロイドの一部は北米にも進出したと考えられています。

 

 そういえば、かつてテレビでケネウィック人のほか、メキシコからも日本人によく似た古代人骨が出ていると紹介してましたね。

 

 メキシコの場合もおそらく、アイヌや琉球人に似てる古代人なのでしょうけど。

 

ケネウィック人と一緒に、フランスやスペインの様式の鏃も出てますよ。

 

 フランスと言えば、クロマニヨン人はフランスで見つかった石器時代人で、ケネウィック人との関係を考えたことがありましたね。

 

それを言ったら、日本に来たケネウィック人の親戚はクロマニヨン人の親戚にもなるでしょ。

 

 東北弁はフランス語に響きが似てるので、東北弁をフランス語と勘違いするCMもありましたよね。

 

家族性地中海熱や家族性アイルランド熱、高IgD症候群、クローン病など日本とヨーロッパの意外な繋がりの深さを示す遺伝性疾患が日本でも確認されることを思い起こすと、ケネウィック人は興味深い存在です。

 

このうち、クローン病はアジアでも、ロシアなどヨーロッパ系の国だけじゃなく日本や韓国や中国、それと台湾にも発症例はまだ少ないが報告はあるようです。

 

中国・韓国・台湾はもちろん、実はロシアも日本人の成立史にかかわる地域であることがわかってることを考えれば、注目したい遺伝性疾患です。

 

 ロシアと言えば、秋田美人によく似た美人が見つかる国ですね。

 

ここで注目したいのは古代アメリカと日本の関係が、ミトコンドリアのDNAの比較から確認できたことです。
ミトコンドリアDNAのタイプのことを、ハプログループといいます。

 

人のミトコンドリアDNAのタイプであるハプログループには、80パターンがあります。
日本の主なミトコンドリアのDNAは、そのうちの16タイプ。
日本人のルーツ探しに大きくかかわるのは、この16のハプログループだそうです。

 

 主なということは、少数派も含めれば、もっとあるのでしょう。

 

16のDNAパターンは、以下の通り。

 

A、B4、B5、C、D4、D5、F、G、M7a、M7b、M7c、M8a、M10、N9a、N9b、Z

 

現在のところ科学的な総意としては、アメリカ先住民の大部分は、Y染色体ハプログループCとQ14の分派と、ミトコンドリアDNAハプログループA、B、C、D、とXに属しているというもので、これらすべては東アジアに優勢のものです。

 

今までまとめられた証拠によれば、アメリカ先住民すなわちネイティブ・アメリカンの大半はアジア系のDNAを持っていることを示唆しています。

 

これまで、現代のアメリカ先住民に確認されたDNAの大半は東アジアの集団とほぼ類似していると言います。

 

2013年の研究では、アメリカ先住民のDNAの3分の1が、ヨーロッパまたは西アジアから発祥し、おそらくアメリカ大陸に初期に移住する前に遺伝子プールにもたらされた可能性が高いとしています。

 

日本と古代アメリカでつながるのは、ハプログループのなかのAグループとDグループ。
古代アメリカでは、先にAグループが多かったのが、次第にDグループが増えたというのです。

 

近年の遺伝子研究では、アイヌと類似が指摘される沖縄の人々にDグループが多いと報告されています。

 

また、北海道縄文人集団にはN9b、D10、G1b、M7aの4種類のハプログループが観察されていると言うから、アイヌはDグループとみた方が自然なのかもしれません。

 

そうなると、ケネウィック人はどのグループだったのでしょうね。

 

骨だけでは、調べるのは、骨が折れますねえ。

 

けれど、最新の研究からすれば、ケネウィック人の傍らにフランスとスペインの様式の鏃があってもおかしくない展開にはなってきていますね。

 

面白いことに、中近東DNAマーカーが現代のアメリカ先住民のDNAに存在します。

 

科学者たちが遺伝子マーカーの形状を年代測定するために使う「分子時計」が、移住の時期が数百年前か数千年前かをいつも正確に位置づけることができないという事実のため、時期の特定には使えないとされます。

 

とはいえ、興味深い遺跡はあります。

 

カホキアは、イリノイ州、セントルイス郊外にあるアメリカ先住民が築いた大遺跡です。

 

ミシシッピ文化期(A.D.700年~1600年頃)に、栄えたと推定されています。

 

北アメリカ初期の歴史を理解する面での重要性を評価して、1982年に「カホキア・マウンド州立史跡」として世界遺産に登録されました。

 

カホキア遺跡が指し示す古代アメリカの社会は、古代エジプトやメソポタミアどころか、聖書の世界を彷彿とさせる内容であることを示す展開になっています。

 

さらに面白いのは、縄文の末裔と見られるアイヌや琉球人の生活文物や文化と古代イスラエルや聖書との類似が指摘されるのです。

 

 縄文人は、古モンゴロイドであり、ケネウィック人の親戚であり、ケネウィック人の故郷はヨーロッパ、さらには西アジアに遡れるかも知れないから、確かに興味惹かれますね。

 

そのカホキア遺跡は、洪水で滅んだことが明らかになってきたが、モルモン書は洪水などによって滅んでいく町のありさまを生々しく語り伝えているのです。

 

場所は詳しく記されてはいないが、カホキア滅亡の物語の舞台としては矛盾しません。

 

 モルモン書は古代アメリカにイスラエルの民の一部が来たと、記していますね。

 

もちろん、モルモン書出版当時にはカホキア遺跡のことは知られていません。

 

 アメリカ先住民の中近東DNAマーカーがコロンブス以前にもたらされていれば、矛盾のない展開ですね。

 

たとえコロンブス以前としても、またしても年代の問題は立ちふさがっていますがね。

 

 精神文化の問題はクリヤーできても、彼らの主張する年代と合うかどうか、問題はそこですね。

 

一方、かつての形態人類学で新モンゴロイドとされた人々は、北に向かった古モンゴロイドの子孫、及び中東にそのまま留まった集団の子孫がそれぞれ北上し、東ユーラシアの寒冷地域で独自の適応を遂げた集団です。

 

新モンゴロイドは、寒冷地域に適合した体質として、比較的体格が大きく、凹凸の少ない顔立ち、一重瞼、蒙古襞と呼ばれる目頭の襞、体毛が少なく特に男性のひげの少なさなどの特徴を持っています
さらに、耳垢が湿ったあめ状ではなく乾燥した粉状となり、耳垢の特徴と同じ遺伝子によるわきがの原因となるアポクリン汗腺が少なく、頭髪が直毛であること、といった特徴があります。
一重瞼や蒙古襞は目を凍傷から守るため、乾いた耳垢も耳の凍結を守るため、体毛の少なさも身体に付着した水滴が凍結しないための適応に由来するとみられます。
また、ベルクマンの法則から、大柄でガッチリした体型や凹凸の少ない顔などもなるべく体熱を逃さないための適応だと考えられています。

 

新モンゴロイドは、おもに現在のカナダ・グリーンランド・アラスカ・モンゴル・カザフスタン・キルギス・シベリア・中国(まれに華南で)・朝鮮半島に多く居住するとされます。

 

紀元前3世紀の日本列島に到達した新モンゴロイドが渡来系弥生人で、日本列島全体においては、渡来系弥生人と縄文系弥生人の遺伝子が混ざりその後の日本人が形成されたとする説があります。
遺伝子分析の結果、縄文人の遺伝子は日本人の中でもアイヌに強く受け継がれており、本土日本人にはアイヌと比べてその影響が少ないものの、日本列島人であるアイヌ人、琉球人、本土人は皆縄文人の血を受け継いでいるため、現在の東アジア大陸部の主要な集団とは異なる遺伝的構成であるという結果が出ています。

 

遺伝学的には、古モンゴロイドと新モンゴロイドとの差異は小さいとされます。

 

シベリアは一般に新モンゴロイド系の特徴が強い人々が多いが、東部に限っては古モンゴロイド的な形質が色濃い人がみられると言います。
南北アメリカへはアジアから渡ったのは確かだが、従来のベーリング海峡ルート説は日本とアメリカで見つかる寒さに弱い寄生虫が確認されたことで疑問視されるようになってきました。

 

日本においては、縄文時代の住民は主に古モンゴロイド系であったと言われます。

 

 しかも近年、アメリカのバルデビアからは縄文土器そっくりな土器が見つかり環太平洋的な広がりが指摘されるようになりましたね。

 

バルデビア土器については、エジプトの影響を指摘する声もありますよ。

 

足指は、三つのタイプに分類されるといいます。

 

エジプト型と、ギリシャタイプと、スクエアタイプの三つです。

 

最近の研究では、外反母趾になりやすい足の傾向は、エジプトタイプだとされるようになってきました。

 

日本人の6割から7割が、このエジプト型タイプと言われています。

 

エジプト型は、親指が一番長く、小指にむけて短くなる形です。
親指が長い他に、足幅が広めな形です。
親指が側面から圧迫されやすいため、外反母趾になりやすいタイプの足の形です。

 

 つまり、バルデビア土器は縄文にもエジプトにも似てるけど、日本人の足はエジプトタイプが多いから日本人が作ったとも見て差し支えない。

 

太陽神を中心にした三神構造で動物を含む八百万の神と言う点でも、エジプトと日本は似てるし、二本柱が前に立ち拝殿と本殿に分かれた構造などエジプト古代神殿も日本の神社と造りが似てますよ。

 

ちなみに、足指のギリシャ型は、親指より第2指が長い足の形です。

 

日本では、エジプト型に次いで多いです。

 

足先の細い靴を履いても、爪先に負担をかけることが少なく、外反母趾になりにくいタイプの足の形です。
ただし、指が曲がりやすく、ハンマートゥになりやすい足でもあります。
ハンマートゥとは足の指が曲がったまま、戻らなくなっている状態です。

 

スクエア型は、5本の指の長さに差がない足の形です。

 

日本人では珍しい足です。

 

幅の狭い靴を履くことで、指にタコやウオノメができやすいタイプの足の形です。

 

古モンゴロイドの後に中国および北東アジアから渡来した新モンゴロイドと混血をした結果、現在の日本人の新モンゴロイドと古モンゴロイドの特徴が混在する形質が形成されたと考えられました。
遺伝子解析の結果、琉球人、本土人、アイヌ人からなる日本列島人は皆縄文人の血を受け継いでいるため、現在の東アジア大陸部の主要な集団とは異なる遺伝的構成であるという結果が出ています。

 

近年の人類集団を分類する学説では、各人種の原初の居住地を分類名称とすることが多くなっています。
その場合、東アジア並びに東南アジアに居住するモンゴロイドを東ユーラシア人とし、アメリカ大陸で分化したモンゴロイドを南北アメリカ人とします。

 

東ユーラシア人と言う場合アイヌも含むと見られるので、アメロイドとアイノイドを別人種とする用法と旧モンゴロイドと新モンゴロイドの区別とは、混同しない方が良いかも知れないです。

 

またオーストラロイドとされたサフール人を含めた旧来の広義のモンゴロイドを全て網羅する定義としては、「環太平洋人」とする説があります。
アジアに住む人々はアジア系民族と呼ぶのが一般的であるが、アジア人にはコーカソイドに属するインド・アーリア人やオーストラロイドに属する南インドのドラヴィダ人も含みます。

 

 ドラヴィダ語族と日本語との関係を主張する説もあり、とりわけ大野晋による、ドラヴィダ語族のひとつのタミル語との対応関係研究があるが、批判もおおく、まだ学説としては確定していないようですね。

 

インド人から同胞に間違えられて困った日本人もいますよね。

 

なお、パプアニューギニアやオーストラリアの先住民は、オーストラロイドという別人種に分類されます。
かつて、オーストラロイドをモンゴロイドの祖先とする考え方があったが、DNA分析により現在では否定されています。
ただし先述の通りモンゴロイドとされた東・東南アジア及び南北アメリカ大陸等の集団には遺伝的に近いです。

 

モンゴロイドは成立後、1万4000〜1万2000年前にのちのベーリング海峡となるベーリング地峡を渡りアメリカ大陸に進出したとされてきました。

 

また3000〜2000年前には太平洋の島々にも移住したです。

 

 南北アメリカ大陸では、「モンゴロイド」の定着以前に人類は全く存在していなかったのでしょうか。

 

現在までのところ、アメリカ大陸最古の人物として確認されているのも、古モンゴロイドの特徴を持ってますからね。

 

ケネウィック人は発見当初、イギリス人かと色めきだったけど、結局古モンゴロイドと言うところで落ち着いているようです。

 

ただし、先住民族の祖先と断定すると彼等から我々の仕来りに沿って埋葬すると言われるので、日本人の骨と言ってアメリカ先住民のものと断定するのを避けているようですが。

 

 そう言えば、幕末のころアイヌを見た欧州人から、なんで日本に欧州人がいるのかと驚かれたそうですね。

 

調べた結果、やはりモンゴロイドだと決着がつきましたけどね。

 

モンゴロイドの一部は、フィリピン群島を経て東南アジアから太平洋に漕ぎ出し、イースター島やニュージーランドにまで到達して今日のポリネシア人、ミクロネシア人となったとみられています。

 

さらに一部のモンゴロイドは、古代に稲作文化を携えてアフリカのマダガスカル東部地域にも居住地域を拡大したとされます。

 

途中のインド洋島嶼部の多くは無人島で、且つアフリカ東部や中近東の陸地伝いには彼らによる移動の痕跡がみられないため、反対方向に向かったラピタ人やポリネシア人と同じく、相当高度な航海技術によって海上ルートを進んだと思われます。

 

ユーラシア大陸のモンゴロイドは、当初はヒマラヤ山脈以東の太平洋沿岸及びその周辺を居住地域としてました。

 

特に、モンゴル高原を中心とする中央アジアの乾燥帯に居住した遊牧民達は生まれながらの騎兵であり、古代から中世の世界においては強大な軍事力を誇ったのです。

 

彼らはこの軍事力を武器に、古代はコーカソイドの居住地域であった中央アジア西域に進出します。

 

その後、一時的にヨーロッパ北東部及び中東・南アジアのインド亜大陸にも進出したのです。

 

特にモンゴル帝国はユーラシア大陸の東西に及ぶ巨大な勢力圏を築くに至ったのです。

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成人T細胞白血病がみせる意外な繋がり。

病気でルーツを辿って行く方法があります。

 

病気の感染経路が限られているからです。

 

そのため民族のルーツを辿る研究に利用されています。

 

これまでにも家族性地中海熱や家族性アイルランド熱、高IgD症候群、クローン病などみてきました。

 

 これまで見てきたのは、いずれも遺伝性疾患で、日本とヨーロッパの意外な繋がりの深さが見えましたね。

 

今回は、ウイルス性疾患を取り上げて見ます。

 

成人T細胞白血病(ATL, Adult T-cell leukemiaまたはleukemia/lymphoma)は、腫瘍ウイルスであるHTLV-1感染を原因とする白血病、もしくは悪性リンパ腫です。

 

1976年(昭和51年)に高月清らによって発見、命名されました。

 

HTLV‐1感染者を、HTLV‐1キャリアといいます。

 

日本ではHTLV-Iキャリアのうち、毎年600-700人程度が病型は問わずATLを発症しているそうです。

 

キャリアの生涯を通しての発症危険率は、2-6%であるといいます。

 

キャリアの診断は、抗体検査によります。

 

臨床的に白血病、リンパ腫を疑った場合のATL 診断は、抗体陽性、血液像、HTLV‐1 感染細胞の単クローン性増殖を調べるSouthern blotting(サザンブロッティング)によります。

 

単一の細胞に由来することを、単クローン性といいます。

 

Southern blottingとは、Edwin Southernが考案した、DNAを同定するための手法です。

 

この手法により、異なる塩基配列を持つさまざまな二重螺旋(らせん) のDNAの混合溶液から、ある特定の塩基配列を持つ分子が存在するかどうかを確かめることが可能です。

 

進行ATL の患者では、LDH,sIL‐ 2R, Ca ++が上昇するといいます。

 

一部には、かなり早期から免疫不全の兆候を認めるそうです。

 

HTLV-1キャリアは、日本全国で100万以上いるとされます。

 

また、日本人におけるHTLV-Iの陽性率は、献血者を対象とする結果から0.32%と推定されています。

 

日本におけるATLによる年間死亡者数は約1,000人であり、1998年(平成10年)以降の10年間に減少傾向はみられていないそうです。

 

日本では、アイヌ人や琉球民族にキャリアが多いのです。

 

感染者の分布は、九州・沖縄に編在しているといいます。

 

例えば東京都におけるHTLV-1の陽性率が0.15%と低率であるのに対して、全国で最も陽性率が高い鹿児島県では1.95%と、住民の約50人に一人がHTLV-1キャリアとなっています。

 

沖縄、鹿児島、宮崎、長崎各県のキャリア率は約5%で、世界的にみても最もHTLV‐1地域集積性が強いといいます。

 

陽性率がキャリア率に対して低いのは、陽性が医学の検査などで、ある刺激に対して反応がはっきり現れることだからです。

 

ある刺激に対して反応がはっきり現れない陰性であっても、キャリアである場合も当然あるわけです。

 

 どのウィルスに対しても陰性と出ても、感染してないわけじゃないから、要注意。

 

そういうことですね。

 

これらの人口は日本全国の約4.6%であるが、国内キャリアの1/3 を占めるそうです。

 

人口比約1%(約150 万人)の長崎県では、全国平均の10 倍、年間約70 例の発症と死亡が確認されると言います。

 

これは、他のすべての白血病とリンパ腫の合計に匹敵する数値だそうです。

 

大都市ではキャリアの多くは感染者が多い地域の出身者の子孫で、そこでの率は低いが絶対数は全国の約半数だそうです。

 

原因ウイルスであるHTLV-Iの感染者は日本、特に九州に多く、他にはカリブ海沿岸諸国、中央アフリカ、北米、南米、オーストラリアなどに感染者がみられます。

 

そのため、成人T細胞白血病(ATL)患者もこれらの地域に多くみられるが、不思議な事にアジアには存在しないのです。

 

若干の例外を除いては…。

 

この地域の人々と日本の先住民は母乳で繋がっているのです。

 

 縄文人と南北アメリカ大陸の関わりの深さは、遺伝子レベルでも確認されてきたし、縄文土器でも裏打ちされてきたけれど、今度はウイルス性疾患ですか。

 

 アフリカもかかわっている辺りが、興味惹かれますね。

 

意外なのは、現在確認されているアフリカの国の名前です。

 

南アフリカ、タンザニア、ケニア、ウガンダ、ザイール、スーダンなどです。

 

北米ではアラスカを含むアメリカ合衆国、南米では、ジャマイカ、バルバドス、マルティク、トリニダッド、パナマ、コロンビア、ベネズエラ、ギアナ。

 

オセアニアでは、オーストラリアのアボリジニ、パプアニューギニア。

 

アジアでは、日本のアイヌや琉球とその子孫、台湾、インドのマドラス地方。

 

ヨーロッパでは、北欧のラップ人。

 

 地中海世界が見えないのは、確かに意外…。

 

 アフリカとアメリカとなると、オルメカヘッドを残した人達も気になりますね。

 

 日本にもオルメカヘッドに似た顔の人も居るので、アフリカからアメリカ経由で日本の可能性もあり得ますね。

 

アフリカ由来の日本人、探る必要はありそうですね。

 

エジプトなど中東以外のアフリカとも、何かありそうです。

 

成人T細胞白血病(ATL)は、幼少時に母乳を介し母親から感染したhuman T‐lymphotropic virus type 1(HTLV‐1)キャリアにのみ発症すると指摘されます。

 

ほかには、性交の際の精液に含まれるリンパ球を通じての男性から女性への感染も確認されています。

 

個体内でのHTLV-1増殖の場は、主にリンパ節であると考えられています。

 

リンパ節で増殖したATL細胞が血液中に流出すると、特徴的なATL細胞が末梢血で見られるようになるわけですね。

 

リンパ球は血液中にも含まれるので、輸血が感染経路になる場合もあります。

 

 それで、献血者を対象とする結果から0.32%と推定…。

 

そういうことですね。

 

我が国では1987年に輸血用血液のスクリーニングが導入されて以来、輸血感染は消滅しているといいます。

 

 でも、外国では…。

 

どうなんでしょうね。

 

ATLはHTLV‐ 1キャリアに5~10%の頻度で発症し、2年以内にほとんど死亡するというから、発症するとかなり厄介ですね。

 

ATLの治療は依然としてはかばかしくなく、ATLの予防には感染予防が最善の方法と思われるそうです。

 

 キャリアとわかったら、人工栄養で育てなさいと…。

 

キャリアの母親による母乳保育が継続された場合、子供の約20%がキャリア化するとされます。

 

一方、これを人工栄養へ切り替えることによって母子感染はほぼ防げるといいます。

 

 母子感染は、ほぼ防げるということは。

 

出産時の感染の可能性もあるにはあるが、人工栄養児のATL発症率は0.2%未満というので、計画的帝王切開の適応はないそうです。

 

 男性の場合は、人工授精ができれば好ましい。

 

そういうことでしょうね。

 

まあ、リンパ球であって精子ではないので、母子感染の予防でかなり子供への感染はかなりの程度防げるようです。

 

感染から発症までの期間が非常に長いため、成人で初感染した場合は発症せずに寿命を迎えることがほとんどだといいます。

 

ATL は、幼少時に母乳を介し母親から感染したHTLV‐1 キャリアにのみ発症すると見られています。

 

それは、感染から発症までの期間が非常に長いためです。

 

近年、60から70歳代の患者が最も多いそうですから。

 

 なるほど、それじゃ成人で感染しても大半は発症前に寿命が来ますね。

 

成人感染の確証があるATL例は、白血病の治療、移植など高度の免疫不全症例しかないそうです。

 

CD4 + T感染細胞が数種類の突然変異で腫瘍化し、単クローン性に増殖したのがATLです。

 

単クローン増殖までの突然変異集積の機構は、今現在の時点では不明です。

 

TSP/HAMやぶどう膜炎などの自己免疫性疾患は慢性に経過し、それ自体致命的になることは比較的少ないといいます。

 

TSP/HAMすなわち熱帯性痙性麻痺/HTLV-1関連脊髄症は、徐々に進行する脊髄の病気で、原因はヒトT細胞白血病ウイルス1(HTLV-1)です。

 

ぶどう膜炎は、眼球全体を包み込むよう広がっているぶどう膜つまり虹彩や毛様体や脈絡膜に炎症を起こす疾患です。

 

虹彩や毛様体や脈絡膜の組織は眼球全体を覆っているために形は球形で、血管やメラノサイトが豊富で色もぶどうの実に似ていることから、ぶどう膜と呼ばれています。

 

これら症状に深入りすると、先に進まないので、話を進めます。

 

自己免疫性疾患は成人感染によっても発症するが、生涯発生率はATL より少ないそうです。

 

 成人は発症前に寿命になることが多いからと言って、子供への感染は防がないといけないでしょ。

 

もちろんですとも。

 

感染経路は限られているので、予防さえできれば、キャリア率はかなり下げられるそうですよ。

 

なお、全国のキャリア数は約100万人、ATL発症数は年間約700例といわれます。

 

発症の原因はすでに触れたように、HTLV-I感染であり、独自の形態をもつ異型リンパ球(CD4陽性リンパ球)の、腫瘍です。

 

腫瘍の発生は、単クローン性増殖による発生がほとんどで、1個の細胞の異常分裂による、単中心性発生が多いそうです。

 

ヒトレトロウイルスHTLV‐1は逆転写後DNAとなり、CD4 +T細胞の遺伝子DNA に組み込まれ、プロウイルスとなります。

 

プロウイルスとは、レトロウイルスにおいて宿主ゲノムDNAに組み込まれた状態で、RNAに転写される前にあることです。

 

プロウイルス遺伝子は発現し、体内で二次感染を生ずるため感染細胞は多クローン性です。

 

 二次感染で、単一の細胞に由来する単クローン性から複数の細胞に由来する多クローン性になる。

 

そういうことでしょうね。

 

不死化感染細胞の大部分は、ウイルス遺伝子発現をしないそうです。

 

無限増殖もせず、腫瘍細胞でもないといいます。

 

Tax蛋白による多彩な細胞遺伝子発現制御異常で、感染細胞は不死化するというからやっかいですね。

 

ごく一部の細胞は遺伝子発現し、宿主に抗原刺激を行い、キャリアの診断マーカー、抗体を維持することになります。

 

免疫監視機構は、抗原発現細胞を速やかに排除するが、感染細胞は生涯消えないといいます。

 

 HTLV-1の発癌機構としては、どのように見られているかです。

 

母乳中のHTLV-1感染リンパ球が乳児の消化管内で乳児のリンパ球に接触することで、HTLV-1は新たに感染することができるとみられるそうです。

 

レトロウイルスであるため、リンパ球DNAに組み込まれ、ウイルスの再生産を行います。

 

HTLV-1のp40 taxは宿主細胞のIL-2レセプター遺伝子などを活性化し、その分裂増殖を引き起こすのです。

 

こうして無限増殖を繰り返す宿主細胞がその過程でなんらかのエラーをおこし、形質転換をおこし、ATLを発症すると考えられています。

 

ATLの臨床経過は多彩であり、以下のような4つの病型と1つの病態が知られています。

 

病型

 

急性型
リンパ腫型
慢性型
くすぶり型

 

病態

 

急性転化

 

この診断基準は、消去法にて定義されています。

 

急性型の病態が最も多彩であり、定義しにくい反面、くすぶり型、慢性型、リンパ腫型はそれぞれの特徴が比較的明確であるといいます。

 

基本的には定義しやすいくすぶり型、慢性型、リンパ腫型でなければ急性型と考えるわけです。

 

予後不良因子としては、年齢、パフォーマンスステータス、総病変数、高カルシウム血症、高LDH血症があげられるそうです。

 

予後不良因子を持たないくすぶり型と慢性型では化学療法がむしろ免疫不全を助長し、感染症合併の要因になるため、原則として経過観察とするといいます。

 

急性型、リンパ腫型では極めて予後不良であるため、ただちに加療する必要があります。

 

急性化すると極めて予後不良です。

 

急性型と診断された患者の生存期間中央値は、1年未満であるというから治療は短期決戦になるでしょうね。

 

 治療はどうなっていますか。

 

CHOP療法が選択されるが、再発、薬剤耐性化が多い。若年発症では造血幹細胞移植も試みられている。

 

成人T細胞白血病自体への治療としては、急性白血病と同様、寛解導入療法後の造血幹細胞移植が検討されているそうです。

 

寛解導入療法としてはCHOP療法やLSG15といった化学療法を用い、造血幹細胞移植は一般的な前処置を用いた同種骨髄移植が考えられているそうです。

 

一般に急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型が治療対象となり、一般的にaggressive lymphomaに準じた治療法が選択されるといいます。

 

名前のとおりT細胞性でありCD20陰性のため、CHOP療法が選択されるそうです。

 

予後不良因子を持たない慢性型やくすぶり型ならば、経過観察となるようですね。

 

ATLは初回から薬剤耐性を示すことが少なくなく、標準的な治療法が未だに確立していないそうです。

 

CHOP療法によって1stCR(完全寛解)を得る症例が近年増えているが、再発が多いようです。

 

再発例は薬剤耐性があるためペントスタチンや造血幹細胞移植、CCR4抗体、CD52抗体、ジドブジン、インターフェロンαといった治療法が現在研究中であるといいます。

 

 合併症への治療としては、どうでしょう。

 

高カルシウム血症に対しては、ビスホスホネート製剤、大量補液、利尿剤、カルシトニン製剤が有効とみられるようです。

 

日和見感染症に対しては、抗生剤などを投与するといいます。

 

1970年代の日本の白血病、リンパ腫の論文ではいくつかの興味深い症例報告をみることができるそうです。

 

西南日本に予後不良の悪性リンパ腫が多いこと、家族内発症が悪性リンパ腫にみられること、ホジキン病が南九州に多いこと、セザリー症候群や皮膚T細胞リンパ腫が九州に多いこと、リンパ腫から白血化し、急激に死にいたる症例が認められること、末梢血に核が分葉した奇妙な白血病細胞が認められることなどがあげられるといいます。

 

これらの多くは2008年(平成20年)現在の診断能力ではATLと診断されておかしくないものばかりであるが、腫瘍ウイルスが原因とわかったのは1980年代だそうです。

 

参考までに、このページを紹介しておきます。

 

成人T細胞白血病の治療を受ける
患者さん・ご家族へ
平成22 年度厚生労働科学研究費補助金 第3 次対がん総合戦略研究事業
「成人T細胞白血病のがん幹細胞の同定とそれを標的とした革新的予防・診断・治療法の確立」
患者さんやご家族が納得した治療を
受けていただくために
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou29/dl/atl.pdf

 

 アイヌや琉球民族の、思いがけない繋がりが見えてきました。

 

まあ、インドやオセアニアも、日本人のルーツ探しではしばしば話題に上りますからね。

 

北欧のラップ人は、北欧と日本の繋がりを解く鍵を握っていそうですね。

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